研究課題/領域番号 |
17590133
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研究機関 | 東北薬科大学 |
研究代表者 |
水柿 道直 東北薬科大学, 薬学部, 特任教授 (60004595)
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研究分担者 |
平塚 真弘 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (50282140)
金野 由美子 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (90364413)
佐々木 崇光 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (20382674)
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キーワード | CYP2D6 / 遺伝子多型 / SNP / Denaturing HPLC / ファルマコジェネティクス |
研究概要 |
これまでに日本人で同定されているCYP2D6バリアントアレル16種類が実際にCYP2D6の機能に影響を及ぼすか否かを検証するために、CYP2D6 cDNAをクローニングした。次に哺乳動物細胞株COS-7を用いて野生型及びバリアント型CYP2D6を発現させ、酵素の機能解析を行った。野生型及びバリアント型CYP2D6を発現させたCOS-7細胞は、それぞれ回収しミクロソーム画分を調製した。発現タンパク質は抗CYP2D6抗体を用いたイムノブロット法により確認した。また、昆虫細胞発現CYP2D6をスタンダードタンパク質として用い、発現タンパク質のCYP2D6発現量の定量を行った。次に得られた各発現タンパク質を用いてDextromethorphan(DXM)及びBufuralolをin vitro代謝させ、HPLCにより代謝産物であるDextrorphan及び1'-Hydroxybufuralolを定量しCYP2D6酵素活性を算出することで、野生型及びバリアント型CYP2D6の酵素機能を比較した。 その結果、CYP2D6.39、CYP2D6.48及びCYP2D6.53以外のバリアント型CYP2D6においてDXMO-脱メチル化活性が低下した。また、CYP2D6.53によりDXMを代謝させた際、未知代謝物が検出された。Bufuralol 1'-水酸化活性はCYP2D6.39、CYP2D6.48においては変化が認められず、CYP2D6.53において有意に上昇、それ以外のバリアント型CYP2D6においては有意に低下した。以上の結果から、日本人で同定されたバリアントアレルの大部分においてCYP2D6酵素機能が変化することが判明し、このことからバリアントアレルを有するヒトがCYP2D6で代謝される薬物を投与された場合、その体内動態が変動する可能性が示唆された。
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