研究概要 |
健常者を対象に、神経筋電気刺激を用いて、長および短橈側手根伸筋(ECRL、ECRB)、尺側手根伸筋(ECU)、橈および尺側手根屈筋(FCR、FCU)の単独収縮で誘発される運動の方向と可動域、力の方向と大きさを調べた。その結果、ECRLはECRBに比べ外転に強く作用する、ECUは伸展よりも内転に作用し、特に前腕回内位では内転のみに作用する、FCRは手根だけでなく前腕の回外位からの回内にも作用するなど従来の報告の正当性を検証するとともに、新たにFCRの外転作用が前腕回外に伴って消失または内転に変わること、ECRLとECRBは手根だけでなく前腕の回内位からの回外にも作用することなどを明らかにした(結果の一部をホームページhttp://www.id.yamagata-u.ac.jp/AnatomyI/home-j.htmに公開)。また、これらに関連した手根の運動と力の研究、上肢筋の脊髄反射回路の研究も並行して行った。なお、研究を遂行するにあたり、ギガテックス社(大崎市)と共同で以下の装置とプログラムを開発した。 1.デジタル動画・波形実時間同期収録装置The Teraview:市販のデジタルビデオカメラ3台からの画像と音声および最大32chまでの電気信号を同期して計測、表示、記録、再生する装置。平成18年4月よりデスクトップ型、平成19年5月よりノート型を発売。 2.2次元リサジュー表示プログラム:The Teraviewに取り込むことで、市販の3次元ポジションセンサーから得られる信号(x,y,z)のうち2つを基に2次元リサジュー波形をグラフに表示、記録、再生できるようにしたプログラム。平成18年4月より発売。 3.手根に発する力の方向と大きさの自動計測・表示・記録装置:手根に発する力の方向(角度)と大きさ(kg)を計測し、同心円グラフ上に表示し、記録する装置。
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