1.選別した各種変異・破格例の下絵を清書し、そこに描かれた個々の構造物には、引出し線を用いて解剖学名称をラテン語で記入し、欄外の解剖所見のメモも整理した。人体の部位別では、体幹前面枚、体幹後面枚、上肢枚、下肢枚、胸部内臓枚、腹部内臓枚、骨盤・骨盤内臓枚、後胸・腹壁枚、頭・頚部枚の、計枚の清書を完成させた。完成した線描図は、専用ファイルに整理・保管した。 2.「左腕頭静脈の走行異常」と「重複上大静脈の出現」の2例については、それらの線画を清書し、実物に近い状態のカラー着色図を完成させ、2008年秋に開催の日本解剖学会第53回東北・北海道連合支部集会の発表に備える。 3.平成18年度に出現した完全内臓逆位例において、左右の肺区域、横隔膜の血管・神経分布、前脊髄動脈の構成についての剖出所見、また平成19年度の解剖実習体で遭遇した「頚腕筋の両側出現」、「外側大腿回旋動脈の起始異常」、「浅側頭動脈の低位分岐」と札幌医科大学で遭遇した「腹腔動脈の起始異常と副膵管の発達例」についても、学生とともに作成した小冊子「第3回人体形態学実習における解剖所見の発表会」(弘前大学医学部保健学科2007年9月)に収録し、本研究の資料の一部とした。 4.「馬蹄鉄腎の1例」と「第2鰓弓動脈の遺残した内頚動脈近位部退化の1例」の2変異例は、平成19年7月に富山市で開催の第11回臨床解剖研究会で口演発表し、それらの要旨は同研究記録に掲載された。 5.平成20年3月に大分市で開催の人類形態科学研究会第20回学術集会において、完全内臓逆位3例の解剖所見(線描図とデジタル画像)を写真とカラー着色図を混じえて詳しく報告し、またこれまでの本邦報告例の所見も要約して、内臓逆位の形態的特徴とこれからの課題について講演した。
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