研究概要 |
本年度研究は肥満因子であるPancreatic polypeptide(PP)の生産細胞,PP細胞の再生について,実験研究を行いました。独特な膵臓の構造を持つ実験動物スンクスの右葉膵臓を切除して,この右葉にしか含まれないPP細胞の再生を左葉膵臓,消化管,副腎などPP細胞の発生学に関連する臓器を検索した。H17年4月に金沢大学(申請時所属)から東京医科大学に移り,スンクス動物実験室の再建は新たに行うなど含め,本年度内に次の内容を進行しました。 1.金沢大学大学院医学系研究科神経分布路形態形成学(田中重徳教授),名古屋大学大学院生命農学研究科生命技術科学専攻(織田銑一教授)および藤田保健衛生大学短期大学(磯村源蔵教授)から,実験動物である成獣スンクス(NAG系,KAT系,KAT-s系,KAT-c系,BK系,TESS系およびTK系)を譲り受け,東京医科大学動物実験センター内で生産・繁殖作業を行い,実体顕微鏡などの機器を購入,整備した。 2.スンクスの腹側膵に相当する右葉膵臓は独立存在していることに,麻酔下で腹側膵を切除し,PP細胞ノックアウト実験モデルを作成した。 3.腹側膵を切除した1週間,2週間,3週間,一ヶ月,二ヶ月および三ヶ月後,スンクスから血清,背側膵,消化管,副腎,脳などの採取を行った。 4.サンプルの分析を一部分完成し,腹側膵切除後3週間目に背側膵にPP細胞の再生は一部分のサンプルの中に認められた。再生してきた細胞の同定,由来などは更なる実験の必要があり,その実験は進行中である。 昨年9月開催された第5回アジア消化器学会(APDW)(in Korea)にて,その結果の一部を報告した。
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