研究課題
基盤研究(C)
これまでの研究により、細胞膜の脂質構成は均一無構造ではなく、脂質ラフトに代表される多様な膜マイクロドメインのモザイク状集合体であることが明らかになってきている。しかし、細胞外側の脂質構成の変化に対応する細胞質側の脂質構成やそれに応じたシグナル伝達分子の局在様式の検討は、まだ十分にはなされていない。本研究の目的は脂質ラフトを同定し、その細胞質側に局在するシグナル伝達関連分子の局在を超微形態学的に検討することであり、研究期間内に以下の研究成果が得られた。Jurkat細胞の表面を5nm-コロイド金標識ライセニンと10nm-コロイド金標識コレラトキシンで標識した後、抗CD3抗体を塗布したカバースリップとインキュベートすることで接着面に免疫学的シナプスを形成させることができた。蛍光顕微鏡を用いた検討では、4℃で接着面全体にランダムに配列していた脂質ラフトマーカーが、シナプス形成を惹起したときには、接着面の周囲に集積する傾向があることを確認した。これらの試料をグルタールアルデヒド・四酸化オスミウムで二重固定し、型通りエポン包埋試料を作成した。超薄切片を透過型電子顕微鏡を用いて観察し、同様の局在変化が超微形態学的にも確認されたが、同じ脂質ラフトマーカーであっても、ライセニンとコレラトキシンでは分布様式に違いがあり、ライセニンは接着部とその周囲に、コレラトキシンは接着部には少なく、接着周囲部に多く局在していた。これらにより脂質ラフトの構成脂質は、互いに異なる局在を取りうることが明らかとなった。
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