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2006 年度 実績報告書

選択的細胞除去による脊髄運動ニューロン数の制御メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 17590167
研究機関福島県立医科大学

研究代表者

佐藤 昇  福島県立医科大学, 医学部, 助教授 (00254756)

キーワードBax / Chick / Cell death / Neuron / Electroporation / Doxycycline
研究概要

本年度は選択的細胞除去の系の構築をさらに発展させるための研究を進めてきた。細胞死をコントロールするBcl-2分子ファミリーの中で細胞死を促進させる分子として知られるBaxの発現系を詳細に検討した。その結果、生体エレクトロポレーション法によってBaxのgain-of-function変異体をドキシサイクリン添加によって発現誘導を行う系(運動ニューロン特異的エンハンサーHB9でrtTAを発現させ、テトラサイクリン反応領域にBaxを連結したコンストラクトを同時に導入する)では、脊髄運動ニューロンの凡そ5〜10%程度が細胞死を起こして除かれることが明らかになった。また野生型Baxを運動ニューロン特異的エンハンサーであるHB9やIslet-1で直接発現させる系では、脊髄運動ニューロンの凡そ5〜20%が細胞死を起こして除かれることが明らかになった。レトロウイルスを用いた発現系では野生型Bax発現によっても細胞死が惹起されなかったため、これはエレクトロポレーションによる遺伝子導入が運動ニューロンヘストレス刺激となったことが推察された。さらに一般的なCMVプロモーターなどを用いてBax発現を行ったところ、ほとんどの運動ニューロンが取り除かれたが、細胞死は脊髄細胞全般にわたって観察され、脊髄の半側(エレクトロポレーションによって遺伝子導入された側)は非常に薄くなってほとんどの神経上皮細胞も失われた。これらの観察結果はそれぞれの発現システムにレポーター遺伝子であるGFPを用いて観察された遺伝子発現の分布と程度と一致した。
またBax以外の細胞死誘導分子としてはRho及びRho-kinaseのdominant-negative変異体導入を検討した。これらの変異体をHB9やIslet-1エンハンサーを用いて導入しても運動ニューロンは細胞死を起こさないことが明らかになった(未発表)。この詳細は現在研究を進めている。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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