研究課題/領域番号 |
17590169
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中島 裕司 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 教授 (80207795)
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研究分担者 |
池田 一雄 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教授 (80275247)
仲谷 和記 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60295699)
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キーワード | 解剖学 / 発生分化 / 再生医療 / 心臓 / 心筋 / 中胚葉 |
研究概要 |
【研究の背景】これまでの研究で胞胚初期の胚盤葉に特異的に発現している遺伝子をディファレンシャルデイスプレー法を用いて検索したところ120のクローンを得ることができた。それらのクローンについて部分塩基配列決定を行いインシリコで全塩基配列の決定と遺伝子の同定を行った。 【研究実績】(1)インサイチュハイブリダイゼーション法(ISH)による遺伝子発現プロファイルの作成:得られた遺伝子のプローブを作製し、胞胚、原腸胚、神経胚期を対象に遺伝子発現を検討した。現在までに予定心臓領域、神経板、血島領域に発現している遺伝子を同定した。(2)クローン#94の局在と機能阻害実験:クローン#94はニワトリ胚遺伝子発現データベースに登録されている未知遺伝子であり、ISHで心筋に強く発現していることが判明した。文献検索でこの遺伝子産物に対する抗体が作製されていることが判明したので、分与された抗体を用いて免疫染色を行ったところ、後方胚盤葉、前方原条、予定心臓領域に発現していることが判明した。現在、クローン#94に対する各種siRNAを作成し、胞胚の無血清培養系と全胚培養系を用いて機能阻害実験を開始した。(3)胞胚初期に発現する既知遺伝子の心筋分化に対する作用:胚盤葉上層に発現しているNodalと胚盤葉下層に発現しているFGFが協調的に作用することによって予定心臓中胚葉が発生することが判明した。この際、FGFはNodalの下流でシグナル伝達にかかわる転写因子smad2のリン酸化を促進し、またBMPは心筋分化を抑制するが、FGFはこの抑制効果を解除することが分かった。 【今後の展望】胞胚初期に特異的に発現している遺伝子の発現プロファイルの作成を継続して行い予定心臓領域に発現している遺伝子を明らかにする。またクローン#94については詳細な発現局在と機能阻害実験による機能解析を行う。
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