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2006 年度 実績報告書

成体脳における神経幹細胞特異的遺伝子の同定と機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 17590173
研究機関獨協医科大学

研究代表者

榊原 伸一  獨協医科大学, 医学部, 助教授 (70337369)

研究分担者 上田 秀一  獨協医科大学, 医学部, 教授 (60150570)
中舘 和彦  獨協医科大学, 医学部, 講師 (80372895)
キーワード神経幹細胞 / 成体脳 / 細胞分裂
研究概要

神経系前駆細胞・神経幹細胞の分裂タイミング調節などの幹細胞維持機構の一端を明らかにするために、神経幹細胞に強く発現する新規遺伝子を同定し、SE90/Radmis(radial fiber associated mitotic spindle protein)と命名した。本年度は詳細にその発現細胞を解析するために、特異的抗体により免疫組織化学的検討を行った。神経幹細胞の培養系におけるRadmisタンパク質はFGF2依存性に増殖するnestin陽性神経幹細胞に強い発現が確認された。神経幹細胞は単層培養系ではしばしばbipolar型の突起を持つ細胞形態を示すが、Radmisタンパク質発現は細胞体およびnestin陽性の突起に発現していた。また細胞分裂期にはalpha-tubulin陽性の紡錘体(mitotic spindle)に強い発現が認められた。実際の生体の神経発生の過程で、Radmisはダイナミックな発現変化を示した。胎生期の終脳胞において、Radmisはnestin陽性の神経上皮細胞(神経幹細胞)の放射状突起(radial fiber)に発現していた。また脳室に面する部位に見られるリン酸化Histon3陽性の分裂期の神経幹細胞では、培養系での結果に一致して、Radmisは有糸分裂紡錘体に非常に強く発現していた。分裂期の発現解析からRadmisはM期の前中期、中期、後期の神経幹細胞の紡錘体に発現し、分裂面とは無関係に発現することから、対称性・非対称性分裂の両方の分裂様式で機能することが示唆された。さらに成体脳では側脳室前角のSVZのわずかな細胞に発現が限局される。これら陽性細胞では、胎生期と同様に、分裂期の紡錘体で発現が見られ、さらにその周囲のnestinまたはGFAP陽性の細胞突起にも発現が認められることから、RadmisはTypeB、TypeCなどの成体の神経幹細胞および神経前駆細胞に発現することが示された。以上の発現パターンから考えて、Radmisは神経発生期、成体期を通して神経幹細胞あるいは前駆細胞の分裂時の細胞骨格再編成、あるいは紡錘体微小管の形成調節などを通してこれらの細胞の維持機構に役割を担っている可能性が考えられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Progressive dopaminergic neurodegeneration of substantia nigra in the zitter mutant rat2006

    • 著者名/発表者名
      Nakadate khosi, Noda T, Sakakibara S, Kumamoto K, Matsuura T, Joice JN, ueda S
    • 雑誌名

      Acta.Neuropathol 112.64

      ページ: 64-73

  • [雑誌論文] Expression of Ibal protein in microglial cells of zitter mutant rat2006

    • 著者名/発表者名
      Kadowaki T, Nakadate K, Sakakibara S, Ueda S
    • 雑誌名

      Neurosci Lett 411

      ページ: 26-31

  • [図書] 神経系幹細胞に発現する遺伝子群の解析2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤 正男 川合 述史編
    • 総ページ数
      238
    • 出版者
      クバプロ

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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