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2007 年度 実績報告書

支配神経に基づく哺乳類咀嚼筋の解部学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17590178
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

塘 総一郎  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (10227639)

キーワードカンガルー / 大臼歯 / 小臼歯 / ワラビー / 有袋類
研究概要

象やマナティでは、頬歯が上顎では歯槽の後ろ上方、下顎では後ろ下方に発生する。後ろの頬歯は前の頬歯を押し出すようにして行き一番前の頬歯は押し出される。このような歯の置き換わりを水平置換(horizontal tooth replacemet)もしくは臼歯の前方移動(molar progression, MP)と呼んでいる。カンガルー科の動物の中でも大型のカンガルーだけはこの水平置換を行う。大型カンガルーは歯列のカーブがこの水平置換を行うと一時期に咬合に参加できる歯数を制限し咬合圧を高める効果がある(Sans 1989)。後方の新しい歯を順番に咬合平面に出していくことは、生涯にわたり新しい歯を分散して使う為の方法かもしれない。一般に野生動物の年齢は歯の咬耗状態を持って推定される(Martin 1981)。MPを行い、前方の咬耗した歯が抜け落ちて行く、カンガルーは咬耗による基準の歯を設けることが出来ない。カンガルーはその代わりにMPにより前進する臼歯の相対的位置(molar index)によって年齢推定を行ってきた(Kirkpatrick 1964)。歯の咬耗とMPは相関関係が無いと考えられてきた(Domning 1984, McArthur 1988)。今回我々はカンガルーの残存歯の咬耗とMPとの相開係数をもとめてその相関関係について考えてみた。南オーストラリア州・アデレードの南オーストラリア博物館所蔵の標本を用いた。性別不詳のハイイロカンガルー(gray kangaroo)の頭蓋標本を用いた。上顎右の頬歯(PM4-M4)の咬耗状態をMcArthur(1988)に従って分類した。MI(molar index)とtotal wear class(歯の咬耗度の合計)の間にはR2=0.80と高い相関が見られた。従来の年齢推定と異なり歯の咬耗だけで解部やX線を用いることなく歯の観察だけで年齢が推定できる可能性が示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008 2007

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] THE DIGASTRIC MUSCLE IN KOALA(PHASCOLARCTOS CINEREUS)2007

    • 著者名/発表者名
      Tomo S, et. al.
    • 学会等名
      Australian mammal sosciety
    • 発表場所
      Armidale
    • 年月日
      2007-07-02
  • [図書] Kangaroos2008

    • 著者名/発表者名
      Tomo S, et. al.
    • 出版者
      Surrey Beatty & Sons Pty Limited (in press)

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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