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2006 年度 実績報告書

フェムトアンペアレベルの単一チャネルノイズ解析のための統合的方法論の確立

研究課題

研究課題/領域番号 17590184
研究機関福井大学

研究代表者

老木 成稔  福井大学, 医学部, 教授 (10185176)

研究分担者 清水 啓史  福井大学, 医学部, 助手 (50324158)
久野 みゆき  大阪市立大学, 医学部, 助教授 (00145773)
キーワードパッチクランプ / 非定常ノイズ解析 / 分散-平均法 / パワースペクトル / 電位依存性H^+チャネル
研究概要

ノイズ解析は電気生理学できわめて重要な手法だが、その適用に当たって様々な物理的・数学的概念を駆使するために、一般的に使えるような汎用性を持っているとはいいがたい。標準的な方法を確立し、プログラムをパッケージ化することにより、その適用性が大きく広がるであろう。実験・解析システムの確立のために、単一チャネル電流が極めて低い(数fA)ことが示唆されてきた電位依存性プロトンチャネルで実験を行った。定常ノイズ解析と非定常ノイズ解析のための実験を全細胞電流記録法で行った。培養microglia細胞を全細胞パッチクランプし、脱分極刺激を数10回繰り返しかけた。電位依存性プロトンチャネルの活性化が遅いので、アンサンブル電流ができるだけ一致するように脱分極パルスの間隔を十分大きく設定した。バイナリデータからのデータ抽出、FFTなどすべての解析とそのアルゴリズム開発のためにMathematica(Wolfram)でプログラムを書いた。定常ノイズ解析のためにはゆらぎ成分を抽出する必要がある。そのための効率的な手法を比較検討した。従来から使われてきた隣接トレースの差分をノイズ成分とする手法は期待する結果を与えにくいことが明らかになった。ゆらぎ成分のパワースペクトルを計算し、複数のローレンツ成分を捉えた。非定常ノイズ解析のために、パワースペクトル密度分布から周波数帯域を5kHzに設定した。得られたアシサンブル電流の経時変化を最小化するために・グループ分けしたトレースの全時間経過の中で、基準値を超える電流値を示すトレースは集合平均から除外した。この操作がきわめて重要であることが明らかになった。バックグラウンドノイズを除去し、放物線フィットから単一チャネル電流値、チャネル数、最大開確率を得た。脱分極電位など異なる条件下でこの実験を繰り返し、得られた電流値やチャネル数の系統性から推定値の信頼性を評価した。数10fAの単一チャネル電流値を得た。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Cooperative action of polyanionic and hydrophobic cofactors in fibrillation of human islet amyloid polypeptide.2007

    • 著者名/発表者名
      Konnno, T, Oiki, S., Morii, T.
    • 雑誌名

      FEBS lett. 581

      ページ: 1635-1638

  • [雑誌論文] Surface structure and its dynamic rearrangements of the KcsA Potassium channel upon gating and retrabutylammonium blocking.2006

    • 著者名/発表者名
      Iwamoto, H, Shimizu, F, Inoue, T, Konno, Y, C. Sasaki, S. Oiki
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 281

      ページ: 28379-28386

  • [雑誌論文] Noise Analysis of Si-Based Planer Type Ion-channel Biosensors.2006

    • 著者名/発表者名
      Uno, H., Zhang, Z.-L., Suzui, K., Tero, R., Nakao S., Seki S., Tagawa S., Oiki, S., Urisu, T.
    • 雑誌名

      Jpn. J. Appl. Phys. 45

      ページ: L1334-L1336

  • [雑誌論文] pH dependence and inhibition by extracellular calcium of proton currents via plasmalemmal vacuolar-type H+-ATPase in murine osteoclasts.2006

    • 著者名/発表者名
      Sakai H, Kawawaki J, Moriura Y, Mori H, Morihata H, Kuno M
    • 雑誌名

      J Physiol. 576

      ページ: 417-425

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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