研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、周期的な身体運動と高照度光照射が概日振動体に与える効果の差異、身体運動の作用機序、また運動強度と作用との関係を明らかにすることにある。(平成17年度):健康成人男子15名を対象として、対照群(7名)と運動群(8名)に分けた。被験者は低照度隔離実験室で7日間、昼夜変化から隔離されて単独生活した。実験3日目から6日目までの4日間、日中に2時間の自転車エルゴメーターによる身体運動を負荷した。その結果、対照群、運動群ともに、血中メラトニンリズムの頂値位相、上昇位相に有意な位相後退が認められたが、下降位相については有意な位相変化は認められなかった。位相後退の程度に両群で差はなかった。リズム振幅には変化はなかった。本実験の結果から、身体運動を負荷したリズム位相は、Cross-over pointに相当することが推測された。(平成18年度):健康成人男子7-8名を対象として、それぞれ運動負荷、非負荷の2回の実験を行った。被験者を7日間、低照度隔離実験室で単独生活させ、4日間決められた時刻に自転車エルゴメーターによる身体運動を2時間負荷した。その結果、運動負荷の有無にかかわらず、メラトニンリズム位相は主観的夕方での運動時を除き、後退した。運動負荷と非負荷では位相変化の大きさには差はなかった。また、被験者7-8名を10日間低照度隔離実験室で単独生活させた。実験2日目に一晩の徹夜をはさんで、睡眠スケジュールを8時間位相前進させ、4日間固定した。その間、一定時刻に自転車エルゴメーターによる身体運動を2時間負荷した。その後、被験者をフリーラン条件下に6日間おいた。なお、身体運動を行わない対照実験を同様のスケジュールで行った。その結果、睡眠スケジュールの8時間の前進にもかかわらず、メラトニンリズムの位相は変化しなかった。一方、フリーラン開始時の睡眠位相は、運動負荷時で有意に前進した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (8件)
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