1 CREBのdominant negative mutantであるMCREBを発現するadenovirus vector Ad-TRE/MCREB.Tagを作成した。MCREB蛋白の発現を形態学的および機能的に確認した。 2 negative controlのAd-TRE/bgalの感染ではforskolinによるプロラクチン産生細胞の増殖は影響を受けなかったが、Ad-TRE/MCREB.Tagの感染ではforskolinによる増殖は完全に抑制された。 3 cyclic AMP/protein kinase A系とは異なる細胞情報伝達系によって伝達されるmitogenであるinsulin-like growth factor-1(IGF-1)の増殖促進作用はAd-TRE/MCREB.Tagの感染によって一部抑制された。 4 forskolinあるいはestradiolの単独投与はプロラクチンプロモーター活性を増加させ、その併用投与はさらにプロモーター活性を増強させた。Ad-TRE/bgalの感染ではプロラクチンプロモーター活性の基礎活性レベルおよびforskolinによるプロラクチンプロモーター活性の上昇は影響を受けなかったが、Ad-TRE/MCREB.Tagの感染では基礎活性レベルおよびforskolinによる活性上昇が一部抑制された。 5 forskolin投与によって細胞内cyclic AMP濃度の著明な上昇が認められたが、IGF-1投与では有意の変化が見られなかった。forskolinによって投与20分から9時間後においてリン酸化CREB陽性プロラクチン産生細胞の割合は著明に増加した。一方、IGF-1投与では20分および1時間後において軽度のリン酸化CREB陽性プロラクチン産生細胞の割合の増加が起きていた。
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