研究概要 |
1.機能未知GPCRのクローニングおよびその機能についての検索。機能未知GPCR、GPRg1をクローニングした。特異的に中枢神経系に発現しており、尾状核被殻、手綱核、乳頭体などで強い発現を認めた。細胞への強制発現をおこない、Gq受容体特異的阻害剤を用いることによって、Gq/11にカップリングした受容体であることが明らかになった。(BBRC 2005) 2.Per1,Per2遺伝子が視交叉上核に誘導され、位相変位を生じる。Per1/Per2遺伝子が体内時計中枢である視交叉上核においてどのように使い分けられているのかを明らかにした。Per1依存性、Per2依存性の位相変位が生じるメカニズムが明らかになった(投稿中)。 3.Per2遺伝子誘導へいたる細胞内情報伝達経路を明らかにすることができた(Genes to Cells 2006)。Gqタンパク結合型受容体から、phospholipase C, IP3, IP3受容体、ERからの細胞内Ca2+放出、細胞外からの流入という一連の経路によって、Per2の誘導が引き起こされることが明らかになった。 4.グリオーマ細胞C6における概日リズムの発見した。グリオーマ細胞であるC6に顕著なサーカディアンリズムを認めた。(BBRC 2006)。 5.視交叉上核において振動する遺伝子として採取されたProkineticinとその中枢性の受容体であるProkineticin receptor 2(PKR2)の詳細な局在の検討。(European J.Neurosci.;2006) 6.PKR2ノックアウトマウスを用いた、PK2,PKR2システムの機能解析。PKR2ノックアウトマウスにおいては、嗅球の形成不全、性腺機能不全が生じた。Kallmann症候群の主要二症候を合併する初めてのマウスであった。(PNAS 2006)
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