研究概要 |
今年度は以下に示す結果を得た。 1)モデリング解析によって合成した新規化合物の結合部位の各5-HT_2-受容体サブタイプのアミノ酸残基を推定したところ、第3ヘリックスのAsp3.32,Trp3.28および第6ヘリックスのTry6.48であることが判明した。 2)COS-7細胞を利用して各5-HT_2-受容体の3種の変異体(Asp3.32Ala,Trp3.28AlaおよびTry6.48Alaを作成し,新規化合物の結合親和性を結合実験法を用いて評価した。 3)第3ヘリックスのAsp3.32,Trp3.28および第6ヘリックスのTry6.48は、サルポグレラートの結合部位として高い親和性を示した。 4)第3ヘリックスの2つの変異体(Asp3.32AlaおよびTrp3.28Ala)は、3H-ケタンセリンの結合親和性が著しく減少した。従って、3H-ケタンセリンを使用した場合これらの変異体にはサルポグレラートの結合する力価がないことを示唆しているものと考えれる。 5)さらにこれらの2つの変異体(Asp3.32AlaおよびTrp3.28Ala)は、アゴニスト(5-HT)によるIP産生能も減弱していることが判明した。 6)第6ヘリックスのTry6.48Alaは、Wild typeの受容体と比較するとおおよそ2.5倍3H-ケタンセリンの親和性が低かったし、またケタンセリンの親和性も低かった。 7)さらにこの変異体(第6ヘリックスのTry6.48Ala)は、アゴニストによるIP産生能もサルポグレラートの力価も最も低かった。 従って、これらの結果から、5-HT2Aアンタゴニストであるサルポグレラートの結合するアミノ酸の重要性が明らかとなった。
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