研究課題/領域番号 |
17590234
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
桂木 猛 福岡大学, 医学部, 教授 (40004717)
|
研究分担者 |
岩本 隆宏 福岡大学, 医学部, 講師 (20300973)
右田 啓介 福岡大学, 医学部, 助手 (10352262)
|
キーワード | 培養精管平滑筋細胞 / ATP放出 / ルシフェラーゼ法 / カフェイン / RyR2蛋白質 / 小胞体-ミトコンドリア間Ca^<2+>シグナル / ATP合成 |
研究概要 |
本年度はcaffeineによるATP放出に対するCa^<2+>-シグナリングの関与についての研究が行われた。実験は、培養精管平滑筋細胞の灌流を行い放出されるATPをluciferase法により測定した。 Caffeine(3AM)は著しいATP放出を示し、これはBAPTA、thapsigarginさらにryanodineやtetracaineなどの小胞体(ER)作用薬により拮抗された6RT-PCR実験から、このryanodine受容体がRyR2であることが明らかにされた。このcaffeineによるATP放出は、また、Gd^<3+>やNPPB, niflumic acidなどのCl^<-1>チャネル阻害薬により有意に抑制された。Caffeineはfluo4による細胞内Ca^<2+>シグナルおよびrhod2によるミトコンドリア(Mit)内Ca^<2+>シグナルの増加を示し、これらは、tetracaineとoligomycinによりそれぞれ拮抗されたが、小胞体膜上にCl^<-1>チャネルが存在するという最近の知見からniflumic acidの効果を検討したが、それによる影響はなかった。また、caffeineによるATP放出はMit阻害薬のoligomycin、CCCP、さらにATPトランスポーター阻害薬のMT-21、Mit内のNa^+/Ca^<2+>交換体阻害薬のCGP37157によりそれぞれ抑制された。 以上の結果、caffeineはRyR2を介してATPを放出するが、これは、ER-Mit間の特異的なCa^<2+>シグナル伝達を介して、Mit内のATP合成を促進する。MitからのATPシグナルが膜に達し、ATPの細胞外輸送が引き起こされると考えられる。
|