研究課題
基盤研究(C)
1.我々が見出した血管新生調節因子puromycin insensitive leucyl-specific aminopeptidase(PILSAP)の血管形成における影響を見るため、マウス胚性幹(embryonic stem:ES)細胞株、MG1.19にアミノペプチダーゼ活性を欠くcDNAを導入して変異株(mtPILSAP)を作製した。MG1.19をin vitroの3次元分化系で血管新生促進因子を添加して培養すると、他のマウスES細胞でも報告されているように10日以内に胚葉体内にCD31(PECAM-1)陽性の血管構築が構築された。空ベクターを導入したMockにおいても同等な血管形成がみられた。一方mtPILSAPの場合は、Mockに比し、著名な血管構築の阻害が見られた。PILSAPのアミノペプチダーゼ活性阻害剤であるleucinethiol(LT)処理あるいはPILSAPに対するsiRNA導入でも同様な効果が見られ、PILSAPが血管形成に関与する事が強く示唆された。さらにこの系において血球・血管細胞の遺伝子発現を経時的に観察すると、ES細胞のPILSAPの活性を抑制すると、Flk-1陽性の系列細胞(発生途中一過性に発現するもの含めて)の血球、血管内皮細胞、平滑筋細胞、骨格筋細胞への分化が抑制された。しかし、外胚葉由来細胞の発現には影響を与えなかった。また、分化初期のFlk-1陽性前駆細胞の出現には影響を与えず、それ以降における分化に関与する事が示唆された。(以上の結果は現在リバイス中である。)2.上記ES細胞の3次元分化培養系においてvasohibin-1,vasohibin-2を検討した。この発現パターンを元に現在siRNAを用いて発現抑制時の両遺伝子の血管形成における作用を解析中である。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (3件)
Arteriosclerosis, Thrombosis, and Vascular Biology (In press)
Biochemical and Biophysical Research Communications 327・3
ページ: 700-706
実験医学 23・16
ページ: 2431-2436