研究概要 |
本年度は、ムチン型糖鎖のコア1構造を合成する2つのコア1合成酵素群(Core 1 β1,3-ガラクトース転移酵素;C1Gal-T1とC1Gal-T2)のコンディショナルノックアウトマウス作製用のターゲッティングベクターの作製を行った。今回はC57BL/6マウスのES細胞を使用するため、ゲノムDNAもC57BL/6マウス由来のものを使用した。まず、それぞれの遺伝子を含むBAC DNAからPCRによって目的のDNA断片の増幅をおこなった。核酸配列をDNAシークエンサーで確認してから、loxP配列を含むターゲッティングベクターに組み込んだ。アラビノースでCreリコンビナーゼが誘導される大腸菌に遺伝子導入して、loxP配列で挟まれた領域がCreリコンビナーゼによって効率よく欠失することを確認した。ES細胞に遺伝子導入し、ネオマイシン耐性クローン選別後、PCRにより相同性組換えしているクローンを選別した。ネオマイシン耐性クローンは、C1Gal-T1で336クローン、C1Gal-T2で448クローン選別した。その中で相同性組換えクローンは、C1Gal-Tは13クローン、C1Gal-T2は24クローン存在していた。また、コンディショナルノックアウトマウス作製のためのloxP配列が組み変わっているかどうかをPCRで確認したところ、C1Gal-T1は7クローンあったがC1Gal-T2では確認できなかった。C1Gal-T1のクローンに関しては更にサザンハイブリダイゼーションで相同性組換えを確認しており、現在の現在受精卵にインジェクションする予定になっている。C1Gal-T2に関してはESクローンを取り直す予定である。
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