研究課題/領域番号 |
17590264
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
石原 寿光 東北大学, 病院, 助手 (60361086)
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研究分担者 |
荻原 健英 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (40361068)
田村 明 東北大学, 病院・医員 (00375023)
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キーワード | 膵ランゲルハンス島 / インスリン分泌 / グルカゴン分泌 / 小胞体ストレス / アポトーシス / マイクロアレイ / カルシウム / 分子生物学 |
研究概要 |
1.WFS1遺伝子欠損インスリノーマ細胞株の樹立:WFS1遺伝子欠損インスリン分泌細胞を多くの実験に用いるため、インスリノーマを発症するIT-6マウスとWFS1欠損マウスを交配させ,生じた腫瘍から継代可能なWFS1欠損β細胞株を樹立した。 2.WFS1蛋白の細胞内カルシウム制御における役割の解析:WFS1蛋白を過剰発現するHEK293細胞あるいはshRNAによりWFS1の発現が抑制されたHEK293細胞のクローンを、ドキシサイクリン誘導性の発現オン・オフ系を用いて確立した。これらの細胞を用いて細胞内カルシウム動態の解析を、カルシウムインヂケーターFura-2を用いて行った。さらに、ミトコンドリアあるいは小胞体に局在するように改変されたキメラエクオリンをこれらの細胞に発現させ、ミトコンドリアあるいは小胞体のカルシウム動態を検討した。その結果、WFS1蛋白が小胞体のカルシウム恒常性の維持に重要な役割を果たすとともに、容量性カルシウム流入の調節にも関与していることが明らかとなった。 3.DNA ChipによるWFS1欠損膵島の発現プロファイル解析:6週齢のマウス膵島よりRNAを抽出し、DNA microarrayによってWFS1欠損膵島での遺伝子発現の変化を検討した。さらに1項で述べたWFS1遺伝子欠損インスリノーマ細胞株も用いてさらにReal-Time PCRおよびWestern Blot法によって検討した。その結果、WFS1欠損膵島では、小胞体ストレス応答遺伝子の発現が上昇し、細胞周期の異常やアポトーシスシグナリングの亢進に至っていることが、明らかになった。 4.WFS1欠損マウスのグルカゴン分泌異常の解析:WFS1欠損マウスでピルビン酸に対するグルカゴン分泌動態を検討すると、グルカゴン分泌の亢進が認められた。また正常膵島では、ピルビン酸のみならずTCA回路中間体が、それらに対する細胞膜上の輸送担体を発現することによりグルカゴン分泌を誘導することを明らかにし、2型糖尿病発症課程におけるグルカゴン分泌異常を解析する方法についても検討を加えた。
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