研究課題/領域番号 |
17590265
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 獨協医科大学 |
研究代表者 |
杉本 博之 獨協医科大学, 医学部, 教授 (00235897)
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研究分担者 |
佐藤 元康 獨協医科大学, 医学部, 助手 (20418891)
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キーワード | ホスファチジルコリン / CTP : Phosphocholine Cytidylyltransferase α / Ets-1 / Net / NLS / NES / 細胞周期 |
研究概要 |
CTP : Phosphocholine Cytidylyltransferase α(CTα)の-49/-47プロモーター領域にEts-1が結合し、CTαの転写を促進していることを見出し2003年に報告した(Sugimoto H.et al.J.Biol.Chem.2003)。今年度報告した論文は2003年に報告した論文をさらに発展させたものである。Ets-1が結合する-49/-47領域ばかりでなく、他の転写促進に働くプロモーター領域があるか否かルシフェラーゼ法を用いて探したところ、-58/-54領域も転写促進に働き、何らかの転写因子が結合することが明らかになった。この領域に結合する転写因子を、ゲル・シフト法を用いて同定したところ、Sp1であることが明らかになった。このSp1の結合はEts-1の転写促進作用にも必要であることがわかり、Ets-1はSp1とタンパク質-タンパク質結合することが明らかになった。 Etsファミリーの中には転写促進因子ばかりでなく、転写抑制因子であるElk-1、Net、ERF、Fli-1、Telが知られている。これら転写因子のcDNAクローニングを行い、細胞に発現させCTαへの転写効果を検討したところ、Netにのみ強力なCTα転写抑制効果があることを見出した。Netの転写抑制効果は強力であり、Ets-1の転写促進効果を消去するほどであった。 Netのアミノ酸配列の中にはNLS(核内移行シグナル)およびNES(核外移行シグナル)が認められたため、NLSに変異を加えたところ、本来Netは核内に局在するが、細胞内に均等に分布するようになり、転写抑制効果が減衰した。細胞周期に応じてCTαの転写はG2からM期にかけて増加したが、これに合わせてNetは核内から細胞質に移行することが明らかになった。
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