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2006 年度 実績報告書

統合失調症患者に特異的に認められるエピジェネティックな影響を受ける遺伝子の探索

研究課題

研究課題/領域番号 17590285
研究機関筑波大学

研究代表者

有波 忠雄  筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (10212648)

キーワード統合失調症 / メチル化 / ゲノム / 脳 / RNA / 遺伝子発現 / メチル化結合タンパク質 / グルタミン酸受容体
研究概要

統合失調症の発症要因には遺伝要因が大きく関与しているが、一卵性双生児であっても発症の一致率は50%であり、遺伝要因のみでは発症は決定されず、環境あるいは偶然による要因も関与している。発現調節はゲノムの変異にも影響されるがその他に遺伝子ゲノムのメチル化機構によるものがある。本研究は統合失調症患者およびコントロールの死後脳のDNAを材料にメチル化の違いをスクリーニングして、統合失調症に関連するDNAのメチル化部位をスクリーニングし、統合失調症の発症に脳のDNAのメチル化が関与しているか否か、関与している場合はその遺伝子を同定することを目指している。死後脳のDNAをメチル化結合タンパク質のカラムを通過させることによりメチル化しているDNA領域を濃縮した。さらにその中から遺伝子領域にあるDNA領域をDNAチップでスクリーニングし、30の遺伝子が同定された。そのうちの一つの遺伝子ではプロモーター領域のCpGアイランドに患者・コントロール間でメチル化の違いが見られ、かつ、死後脳の患者・コントロール間で遺伝子発現に差があった。この遺伝子はグルタミン酸受容体のひとつであり、発現量の違いはグルタミン酸神経系のシグナル伝達の変調に関わっている可能性が考えられた。さらに、ゲノム解析により、メチル化に影響を与える分子が、統合失調症に関連しており、この遺伝的背景がエピジェネティックな機構に関わっていることを示唆する研究成果を得た。これらの結果は、統合失調症の発症がジェネティック、エピジェネティックの機構が関わっている複雑な病態であることを示している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] RGS4 is not a susceptibility gene for schizophrenia in Japanese : Association study in a large case-control population2007

    • 著者名/発表者名
      Ishiguro H, Horiuchi Y, Koga M, Inada T, Iwata N, Ozaki N, Ujike H, Muratake T, Someya T, Arinami T
    • 雑誌名

      Schizophrenia Research 89 1-3

      ページ: 161-164

  • [雑誌論文] Monoallelic and Unequal Allelic Expression of the HTR2A Gene in Human Brain and Peripheral Lymphocytes2006

    • 著者名/発表者名
      Fukuda Y, Koga M, Arai M, Noguchi E, Ohtsuki T, Horiuchi Y, Ishiguro H, Niizato K, Iritani S, Itokawa M, Arinami T
    • 雑誌名

      Biological Psychiatry 60・12

      ページ: 1331-1335

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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