研究課題/領域番号 |
17590290
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
三谷 幸之介 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10270901)
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研究分担者 |
大林 富美 埼玉医科大学, 医学部, 研究員 (60406527)
岸本 充弘 埼玉医科大学, 医学部, 研究員 (70383289)
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キーワード | アデノウイルスベクター / 相同組換え / 遺伝子治療 / ファンコニ貧血 / 造血幹細胞 / HPRT |
研究概要 |
1、HPRT遺伝子座を標的にしたモデル実験 ヘルパー依存型アデノウイルスベクター(HD AdV)によるヒト細胞での相同組換え効率を検討するためのモデル実験として、男性由来正常ヒト繊維芽細胞における変異HPRT遺伝子を標的とした相同組換えによる遺伝子修復効率を検討した。その結果、感染細胞あたり10^<-5>から10^<-6>の頻度で遺伝子が修復されたが、これは以前に我々が得ていたマウスES細胞での効率に比して1桁以上低かった。理由の一つとして、long PCRで相同領域(約20キロ塩基対)を増幅したために変異(ミスマッチ)が多く入ったことが考えられるため、ファージの相同組換えを利用する方法(Red/ET法)で、BACクローンより直接HD AdVベクタープラスミドを再構築中である。 2、相同組換えの促進と非相同組換えの抑制の試み マウスHprtと6.7kbの相同領域をコードするプラスミドDNAをマウスES細胞へエレクトロポレーションし、UV damage endonucleaseの強制発現またはpoly(ADP-ribose) polymeraseの阻害剤での細胞処理による相同組換えの促進と、DNA-PKcs阻害剤であるWortmanninでの細胞処理による非相同組換えの抑制を解析した結果、いずれの場合も顕著な効果は認められなかった。 3、FANCA修復ベクターの構築と調整 上記のRed/Er法を用いて、BACクローンより、ヒトEANCA遺伝子座と約30kbの相同領域を持つHD AdVのプラスミドを構築した。相同領域以外に、ネガティブ選択法のための単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子と、力価測定用のVenusマーカー遺伝子をコードする。現在ベクターウイルスを調整中であり、次のステップとして、FANCA患者由来のB細胞への感染実験を計画している。
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