研究概要 |
Tissue microarrayを用いた研究については、平成18年7月に日本サイトメトリー学会のシンポジウムで発表した。その後、各種パラメーターをできるだけ有効に組み合わせ、よく知られている乳癌関連タンパク(Her2,PgR, ER, p53)と比較的検討されていないp27の組み合わせで、特にステージIVを除いた乳癌について予後評価能力の改善に成功した。バーチャル顕微鏡(バーチャルスライド、VS)との組み合わせは、従来の研究法を本質的には変えないがデータ整理や比較の効率があがることを体験した。ゲノムを用いた研究では、口腔癌について発癌経路の異なる二つがあること、癌細胞の大規模なゲノム異常の特徴について、別々に英文報告した。ゲノム情報と組織情報を組み合わせた検討ではまれな唾液腺腫瘍を用いてゲノム、タンパク異常を解析し臨床に役立つと予想されるタンパクの挙動についてまとめ、論文化途上にある。また、VSを用い病理診断のコンサルテーションを遠隔地間で実施し30分以内に有効な情報を得ることができることを実証した。バーチャルスライドを用いた、臨床・病理カンフレンスを実施し、セキュリティーに配慮した送受信法を(NTT西日本の一般サービス)用いて実施し有効性を確認した。教育には、VSを利用して作成した画像を含む実習手引書を作成し、学生が実習時にダウンロードし、自ら加えていけるよう企画し、実行した。総括的な内容でVSの教育、研究、診断、応用についての有用性について平成18年3月に日本病理学会のワークショップで報告した。VSと組織アレイを組み合わせた研究法について、日本サイトメトリー学会技術講習会の講師にて受講者に説明した。また、和文で「Tissue microarrayとバーチャルスライドの応用」「バーチャルスライドの有用性」のタイトルの内容で和雑誌に掲載された。
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