研究課題/領域番号 |
17590312
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
中村 光利 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00305715)
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研究分担者 |
小西 登 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20145832)
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キーワード | primary glioblastoma / secondary glioblastoma / diffuse astrocytoma / oligodendroglioma / pseudopalisading / microvascular proliferation / LOH / chemotherapy |
研究概要 |
本研究は、形態学的に多彩な組織像を呈するglioblastoma (GB)が、遺伝子変異の点でも多様性を示すと考えられ、再発、悪性転化という治療を考えるうえで重要な因子でありながら、そのメカニズムや臨床病理学的意義について充分な解析がいまだ行われていないことに着目し、治療法の選択やgliomaの発生・悪性転化の機序を解明することを目的とした。 【研究の成果・進捗状況】Low-grade diffuse astrocytoma (DA)10例に関しては、fibrillary、protoplasmic、gemistocytic astrocytomaの形態を示すそれぞれの部位からLaser Capture Microdissection Systemsを用いてDNAを抽出し検索した。また、oligodendroglial component (OC)があれば同様に検索した。anaplastic astrocytoma10例、GB 30例(primary GB 22例およびsecondary GB 8例)は、腫瘍中心部や腫瘍辺縁部、周囲浸潤部とともに、pseudopalisading (PP)、microvascular proliferation (MP)、small cells、OCなど組織多様性を示す各部位を別々に解析した。DAでは、いずれの形態を示す部位でも同様の遺伝子変異のパターンを示したが、OCを含む腫瘍では1p/19qのLOHが高頻度でみられた。GBでは、腫瘍中心部や辺縁部、浸潤部、PPを示す細胞のいずれも1p/19q、10qのLOHのパターンに差を認めなかったが、MPの細胞でもLOHが低頻度ながら認められた。今後、組織型毎の遺伝子変異と治療反応性に関しても検討する予定である。
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