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2005 年度 実績報告書

β-カテニン系シグナルループによる子宮内膜癌の増殖抑制機構の解明と治療への展開

研究課題

研究課題/領域番号 17590315
研究機関北里大学

研究代表者

三枝 信  北里大学, 医学部, 講師 (00265711)

キーワード子宮内膜癌細胞 / β-カテニン / TCF4
研究概要

子宮内膜癌細胞株であるIshikawa細胞で、変異型β-カテニンを恒常的に発現させると細胞増殖能は著しく抑制された。また、テトラサイクリンによる変異型β-カテニン発現誘導系でも同様の結果が得られた。この分子メカニズムとして、変異型β-カテニンがp14発現誘導し、その下流のp53/p21系が活性化し結果として細胞増殖が停止することが確認できた(Saegusa et al,Am J Pathol,2004 164,1739)。この過程で変異型β-カテニンの転写パートナーであるTCF4の発現増加を認めた。TCF4のプロモーター領域を検索すると、翻訳開始点から-430から-424bp上流にCTTTGAAというTCF4 binding siteが認められた。そこで、そのプロモーター領域をpGL3B vectorにサブクローニングしレポーターアッセイを行ったところ、変異型β-カテニンによりその転写活性は元進し、これは転写補助因子であるp300の添加により約12倍に増加した。これらの変化が上記binding siteの3塩基を置換することにより消失したことより、TCF4の発現は変異型β-カテニン/TCF4/p300がそのプロモーター領域に結合することにより転写レベルで発現が誘導され、かつpositive feedback loopを形成することが明らかになった。この結果を検証するために子宮内膜癌の外科的切除検体で、免疫組織学的に検索すると、変異型β-カテニンの核内集積部に一致してTCF4の発現が認められ、TCF4は変異型β-カテニンのターゲット分子であることが確認できた。現在、増殖抑制因子のp16発現調節における変異型β-カテニンの関与を分子レベルで検索中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Upregulation of TCF4 expression as a transcriptional target Ofβ-catenin/p300 complexes2005

    • 著者名/発表者名
      Saegusa M et al.
    • 雑誌名

      Laboratory Investigation 85

      ページ: 768-779

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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