研究課題
基盤研究(C)
本研究の成果は以下のように要約される。1.再現性に優れたorotate phosphoribosyltransferase(OPRT)免疫染色結果を得るためには、高温(70℃以上)での切片伸展、加熱処理や蛋白分解酵素による抗原性賦活化処理を避けることが重要であった。OPRT免疫染色の特異性は、免疫吸収試験により確認された。OPRT免疫染色スコアは、酵素活性値およびELISA蛋白量と相関していた。2.OPRT、dihydropyrimidine dehydrogenase (DPD)、thymidine phosphorylase (TP)およびthymidylate synthase (TS)の発現パターンは、腫瘍の原発部位や組織型によって異なっていた。一般的に、正常組織における発現は癌組織と同じパターンであった。3.OPRTの発現は、非癌胃粘膜よりも胃癌組織の方が、また、diffuse typeよりもintestinal typeの方が強かった。4.S-1とcisplatinの併用による術前化学療法を施行された胃癌を対象とした研究では、化学療法前生検におけるTS高発現かつ/またはp53高発現のパターンは化学療法耐性と強く関連していた。すなわち、TSとp53の免疫染色により、胃癌S-1/cisplatin療法の耐性予測が可能であることが示唆された。OPRT、DPDの発現と化学療法の効果との関連性は証明されなかった。6.AFP産生消化器癌はTPおよびmetallothioneinが低発現であり、capecitabine・5'-deoxyHuorouridine耐性、cisplatin感受性の特性を有することが示唆された。7.Uracil and ftorafurないし5'-DFURによる術前化学療法を施行された大腸癌を対象とした研究では、OPRT、DPDの発現と化学療法の効果との関連性は認められなかった。
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