• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

γ/δ型T細胞リンパ腫の細胞組織学的特性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17590322
研究機関福岡大学

研究代表者

竹下 盛重  福岡大学, 医学部, 教授 (90171636)

研究分担者 木村 暢宏  福岡大学, 病院・講師 (40136445)
渡辺 洋  福岡大学, 医学部, 講師 (40220917)
二村 聡  福岡大学, 医学部, 助手 (10277064)
キーワード病理学 / 発生・分化 / 癌
研究概要

T細胞はα/β型T細胞とγ/δ型T細胞に分かれ、ヒトにおいては、腸管、肝臓に見られる。他研究者らにより、Tリンパ芽球性リンパ腫・白血病、肝臓、皮膚にγ/δ型T細胞リンパ腫が局在するとことが報告されていた。これらの細胞は、TCRβF1陰性であり、骨髄・胸腺、また肝小葉にあるVδ1T細胞、皮膚にあるとされるVδ2T細胞が腫瘍化したものと考えられている。材料:肝臓(6例)、消化管(7例)、鼻腔(15例)、皮膚(20例)、リンパ節(30例)のT,NK/T細胞リンパ腫(ATUL, CTCLを除く)とされている症例に関し、その凍結細胞よりDNAをとりTCR遺伝子の再構成をサザンプロット法にて検討した。その結果、TCRJδ1のみの再構成がみられた症例は皮膚の1例のみであり、Vδ1Jδ1/Vδ2Dδ3の再構成を示した。その細胞組織学的性格はCD30、CD4陽性、TCRβF1陰性、γ/δ陽性、EBV感染陰性未分化大細胞性リンパ腫(ALCL)であった。そこで、皮膚、リンパ節のCD30陽性リンパ増殖性疾患に対し詳細に検討を行った。皮膚ALCLの8例においては、他4例はTCRβ鎖の遺伝子再構成がみられた。全身型21例では、ALK陽性ALCL9症例中3例(33%)、ALK陰性9例中1例(11%)にTCRβ鎖の再構成を認めた。免疫組織学的にALK陽性例でβF陰性g/δ陽性は5例であり、ALK陰性例では、βF1陰性γ/δ陽性例は2例含まれており、γ/δ型の表面形質を示す例が多くみられたが、遺伝子型はγ/δの再構成例がなく、NK、null細胞例が多くみられた。これらより考え、末梢性T細胞型リンパ腫には、遺伝子学的にγ/δ型がごくわずかであることが確認された。γ/δの抗体の特異性に問題があることも理解できた。また、表面形質にてβF1陰性γ/δ陽性リンパ腫例は、遺伝子学的にγ/δ型T細胞リンパ腫が少なく、α/β型T, NK, null細胞リンパ腫を示すものがあることが確認出来た。今後T、NK/T細胞リンパ腫における細胞同定には、十分な注意が必要であると考えた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] Adult T-cell leukemia/lymphoma with angioimmunoblastic T-cell lymphoma like features.2007

    • 著者名/発表者名
      Karube K, Suzumiya J, Okamoto M, Takeshita M
    • 雑誌名

      American journal of Surgical Pathology 31・2

      ページ: 216-223

  • [雑誌論文] Diffuse pattern を呈する疾患 : (1)菊地-藤本病(組織球性壊死性リンパ節炎)2007

    • 著者名/発表者名
      竹下盛重
    • 雑誌名

      病理と臨床 25

      ページ: 208-213

  • [雑誌論文] Mixed pattern を呈する疾患 : (1)リンパ節の炎症性偽腫瘍2007

    • 著者名/発表者名
      加留部謙之輔, 菊地昌弘, 竹下盛重, 大島孝一
    • 雑誌名

      病理と臨床 25

      ページ: 218-225

  • [雑誌論文] 腸管悪性リンパ腫の治療と予後2006

    • 著者名/発表者名
      中村昌太郎, 松永主之, 中村滋郎, 末兼浩史, 竹下盛重
    • 雑誌名

      胃と腸 41・3

      ページ: 323-337

  • [雑誌論文] Prevalence of hepatitis C virus infection in cases of B-cell lymphoma in Japan2006

    • 著者名/発表者名
      Takeshita M, et al.
    • 雑誌名

      Histopathology 48

      ページ: 189-198

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi