研究課題
基盤研究(C)
病理形態学的な鑑別が難しいEWSR1変異(転座)が共通するユーイング肉腫/PNETおよびその他の小円形細胞腫瘍の病理診断のために、EWSR1(22q12)DNAプローブを用いて16例のユーイング肉腫/PNET、6例の線維形成性小円形細胞腫瘍、6例の淡明細胞肉腫および各3例ずつの胞巣型横紋筋肉腫、低分化滑膜肉腫、神経芽腫のホルマリン固定パラフィン組織切片で間期核を対象としたFISH解析を行った。FISH解析の結果、ユーイング肉腫/PNET、線維形成性小円形細胞腫瘍、淡明細胞肉腫の小円形細胞腫瘍群ではEWS遺伝子変異の検出率は90%と高感度であった。その他の腫瘍群にはEWSの異常はなく、FISH解析の特異度は100%であった。このFISH解析の利点と問題点として、EWS遺伝子変異を共通するユーイング肉腫/PNET、線維形成性小円形細胞腫瘍および淡明細胞肉腫の診断上価値が高い。その際、転座のパートナー遺伝子までは同定できないが、一つのプローブでバリアント融合遺伝子を含めてEWS変異を同定できるメリットがある。ただし、標本の固定状態は結果に大きな影響を及ぼし、脱灰標本ではFISHシグナルの検出が難しい。したがって、実際の診断に際しては、特に診断が困難な症例では、RT-PCR法と併せた遺伝子診断の多面的アプローチが必要である。さらに、ユーイング肉腫/PNETと同様に、小児に好発する代表的な小円形細胞腫瘍である横紋筋肉腫の亜型診断におけるFISH解析の有用性を明らかにする目的で、33例の横紋筋肉腫を対象にFKHR(13q14)DNAプローブを用いたFISH解析を行った。胎児型横紋筋肉腫のFISHシグナルの検出率は94.7%(18/19)、胞巣型に特異的なFKHR遺伝子変異を示す分離シグナルは100%(18/18)陰性であった。一方、胞巣型の検出率は92.8%(13/14)、分離シグナルは92.3%(12/13)に陽性であった。以上の結果から、胎児型および胞巣型横紋筋肉腫におけるFISH解析は検出率、陽性率ともに高く、亜型診断における有用性が高いと判断される。
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