研究概要 |
1)CD1d^<-/->、β_2m^<-/->、Jα18^<-/->、WTをドナー、Ldlr^<-/->を宿主とした放射線骨髄キメラを作製し、再建後4週から5週間高脂肪食(western diet ; WD)を給餌し、大動脈弁輪部の病巣面積を比較した。各種血清脂質は各キメラ間で有意差を認めなかったが、病巣面積はβ_2m^<-/->>WT=Jα18^<-/->>CD1d^<-/->であった。 1)CD1d^<-/->、β_2m^<-/->、Jα18^<-/->、WTをドナー、Ldlr^<-/->を宿主とした放射線骨髄キメラを作製し、再建後4週から5週間高脂肪食(western diet ; WD)を給餌し、大動脈弁輪部の病巣面積を比較した。各種血清脂質は各キメラ間で有意差を認めなかったが、病巣面積はβ_2m^<-/->>WT=Jα18^<-/->>CD1d^<-/->であった。 2)リボ多糖(LPS)投与によるアテロームの増大において、NKT細胞の果たす役割をapoE^<-/->とapoE^<-/->CD1d^<-/->マウスを用いて検討した。その結果、毎週1回LPSを0.5μg/g体重で5週間腹腔内投与したapoE^<-/->群では、PBS投与apoE^<-/->群と比較して動脈硬化病巣の有意な進展を認め、LPSによる病巣進展にも、NKT細胞が促進的に機能していることが判明した。また、NK細胞除去によりNKT細胞による促進効果は低下し、病巣進展にNKT細胞とNK細胞が協同して寄与していることが判明した。 3)NKT細胞リガンドであるβ-galactosylceramide(β-GalCer)は、動脈硬化病巣面積を減少させなかったが、HDLコレステロールを有意に増加させた。また通常食給餌下での血糖降下作用及び、WD給餌下での体重増加が認められた。これらの作用はCD1d^<-/->マウスでは消失した。β-GalCerはPPARγ様作用を示した。 4)WD給餌によるNKT細胞動態・機能修飾をWT・CD1d^<-/->を用いて明らかにした。WTでは、脾臓におけるNK1.1^+/TCRβ^+,α-GC-loaded CD1d dimer^+/TCRβ^+細胞が減少し、IFN-γ産生が低下した。ニワトリ卵白アルブミン(OVA)に対する増殖反応が抑制され、上清中に産生されるIFN-γが低下し、OVAに対する遅延型過敏反応(DTH)も皮膚で低下していた。一方、増殖反応・DTHの抑制などはCD1d^<-/->では認められなかった。
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