研究課題/領域番号 |
17590335
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
加野 准子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60334059)
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研究分担者 |
野口 雅之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00198582)
飯嶋 達生 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (40222799)
稲留 征典 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (50375490)
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キーワード | 肝肝細胞 / 特徴的発現遺伝子 / 機能解析 / 肝硬変 |
研究概要 |
本研究は我々がこれまでに見出したブタ成体肝幹細胞様細胞に特徴的に発現する遺伝子に関し、 1、標的遺伝子の発現を蛋白レベルで明らかにする。 2、RNA interference(RNAi)によって、標的遺伝子の増殖・分化に対する機能を明らかにする。 3、医療応用への発展として、炎症における再生反応に着目し、これら標的遺伝子について、ヒト慢性肝炎または肝硬変の肝組織でどのように発現しているかを明らかにする。 の研究を行い、肝幹細胞の増殖・分化の機構に関する新知見を得ること、さらにこれら遺伝子の発現と肝再生能との関連に関する知見から慢性肝炎、肝硬変に対する進行度評価の新しい客観的指標の開発につなげることを目的としている。 本年度における進捗状況は以下の通りである。 1、標的遺伝子amyloid β precursor protein(APP)とdickkopf 3(Dkk3)のブタ5週齢胎児肝における蛋白レベルでの発現パターンが確認された。これらの発現部位は遺伝子の発現とほぼ一致しており、APP, Dkk3が未成熟である胎児肝で何らかの機能を担っている可能性が示唆された。一方成体肝に関しては、これらの蛋白がヒト肝硬変組織において、発達した門脈域の一部の間質細胞や血管内皮と考えられる細胞に発現する事などが明らかになった。 2、に関しては、RNAi解析に使用するヒト肝細胞癌細胞株を選択するために、13細胞株における標的遺伝子の発現を解析した。今後蛋白発現をウェスタンブロット解析にて確認後、適切な細胞株を選択しRNAi解析に進む予定である。 3、に関しては、肝細胞癌の切除手術標本の背景非癌肝組織(肝炎、もしくは肝硬変組織)72例を用い標的遺伝子の発現解析を行った。現在他のマーカー、予後との相関を分析中である。 以上の成果は第94回日本病理学会総会、第12回肝細胞研究会、第5回日本再生医療学会総会で発表した。
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