研究概要 |
血小板由来増殖因子β受容体(PDGFR-β)欠損による脳の脆弱性を明らかにするため、 PDGFR-βの発現を中枢神経系特異的に抑制するPDGFR-βconditional KO mouseを開発し、脳の脆弱性に対する検討を行なった。平成17年度および平成18年度では、in vivo中心の研究を行い、成果を報告した(Ishii Y., et. al., J. Neurochem., 98:588-600,2006)。平成19年度は、培養神経細胞および神経幹細胞、脳スライスを用いたin vitro中心の以下の研究を行い、神経保護に対するPDGF-B/PDGFR-βの重要性を明らかにした。1)培養神経細胞を用いた検討PDGFR-β conditional KO神経細胞を用いて、酸化ストレスに対する脆弱性と、神経細胞保護に関するシグナルの低下について明らかにし、報告した(次項参照)。2)培養神経幹細胞を用いた検討PDGFR-βconditional KO神経幹細胞を用いて、神経細胞の分化、増殖、傷害に対する抵抗にPDGFが重要な役割を果たす事を明らかにし、報告した(次項参照)。3)脳幹スライスの電気生理学的検討延髄孤束核は、呼吸反射における中継核として知られる。孤束に刺激電極を留置し・孤束核neuronよりパッチクランプ法にてEPSCを記録し、'PDGFの影響を検討した。PDGFはAMPA型受容体の反応を抑制することが明らかにし、報告した(次項参照)。
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