研究課題
基盤研究(C)
Evi9/Ctip1/BCL11A遺伝子はZincフィンガー蛋白をコードし、その遺伝子産物は主に造血細胞や脳で発現している。Evi9はマウスおよびヒトのそれぞれ急性骨髄性白血病および慢性リンパ性白血病の発症に関与すると考えられている。またノックアウトマウスを用いた研究などから、Evi9はB細胞の発生に必須であることがわかったいる。しかしながら、Evi9の発現の異常が、どのような分子機構でそれらの悪性腫瘍を引き起こすのかや、B細胞分化におけるEvi9の役割については、いまだ十分明らかになっていない。Evi9はBCL6と共に核内で特異的な小体様構造(nuclear body,NB)内に局在するが、その環境における役割も十分理解されていない。本研究では、Yeast 2 hybrid system によりEvi9がSUMO E2 リガーゼでえある UBC9 および E3 リガーゼである PIAS3 と PIASy と会合するという地検を出発点にEvi9 機能の解明を行なった。その結果、Evi9 はヒト由来細胞株においてubc9 と NB 内に共局在し、また SUMO-1 を NB 内にリクルートした。Evi9 の 634番リシン残基は SUMO 化を受けることがわかったが、これは Evi9 の NB 形成には必須ではなく、NB 形成および SUMO1 のリクルートには Evi9 の N-末側のドメインが関与していることが示された。Evi9 は SUMO化の機構制御を介して細胞の腫瘍化やリンパ球分化に関与している可能性が示唆された。
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