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2007 年度 実績報告書

抗マラリア薬アルテミシニンのマラリア原虫小胞体型カルシウムポンプ阻害作用

研究課題

研究課題/領域番号 17590375
研究機関大阪市立大学

研究代表者

木村 政継  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (60195378)

キーワードマラリア / アルテミシニン / カルシウムポンプ / PfATP6 / ATPアーゼ / 抗マラリア薬 / タプシガギン / SERCA
研究概要

副作用が少なく殺滅効果の高いアルテミシニンは近年幅広く使われるようになった優れた抗マラリア薬であるが、これまでの通説に反し、アルテミシニンの薬剤耐性原虫がアフリカで報告されて、作用機序に対する関心は高まっている。アルテミシニンが、SERCA(筋小胞体カルシウムポンプ)の特異的な阻害剤であるタブシガギンと同じく、セスキテルペンラクトン類であることに注目して、熱帯熱マラリア原虫小胞体型カルシウムポンプPfATP6がアルテミシニンによって高度に阻害されることを明らかにし、アルテミシニンの標的分子がPfATP6である可能性を示唆してきた。これはしかし、ポンプ阻害効果をATPアーゼ活性でしかみていないため、より選択性が高いと考えられるカルシウム輸送能でより詳しく調べる必要があり、その目的のためにはPfATP6遺伝子のheterogeneousな発現を真核細胞系で行う必要がある。
C末端にc-mycタグをつけたPfATP6遺伝子全長(3684塩基)を入れたPfATP6プラスミド組換え体を構築したが、c-mycタグの配列にttがaaに変わる2塩基のミューテーションがあることが分かった。タグ配列部の修正に、PCRと制限酵素Dpn 1を用いる修正法を行なったがATrich遺伝子であるため出来なかったが、PfATP6に対するポリクローナル抗体を、オリゴペプチドを使って作成した。
このプラスミド組換え体をCos7細胞にトランスフェクトしミクロソーム画分を調べたところ、ATP依存性のカルシウム輸送能は亢進しなかった。PfATP6タンパクのCos7細胞での発現はあるものの、細胞内分布が小胞体への典型的な分布を示さず、マラリア原虫小胞体型カルシウムポンプ遺伝子が進化的にかけ離れた真核細胞で発現されるとき、正しく小胞体膜に埋め込まれていないのではないかと示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] S1-1 nuclear domains:characterization and dynamics as a function of transcritional activity.2008

    • 著者名/発表者名
      Akira Inoue
    • 雑誌名

      Biology of the cell (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] In vitro effect of dehydroepiandrosterone sulfate on steroid receptors,aromatase,cyclooxygenase-2 expression,and steroid hormone production in preovulatory human gramulosa cells.2007

    • 著者名/発表者名
      Khalid ELBeltagy
    • 雑誌名

      Fertility and Sterility 88

      ページ: 1135-1142

    • 査読あり
  • [学会発表] S1-1 Nuclear Compartments:Paraspeckles Coinciding with TIDRs.

    • 著者名/発表者名
      Akira Inoue
    • 学会等名
      International Symposium on Functional Oranization of the Nucleus

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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