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2005 年度 実績報告書

トキソプラズマ原虫の糖代謝調節機構の研究(経路酵素の性質調査)

研究課題

研究課題/領域番号 17590376
研究種目

基盤研究(C)

研究機関慶應義塾大学

研究代表者

浅井 隆志  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50175163)

研究分担者 前田 卓哉  東京大学, 医科学研究所, 特別教育研究員 (20383763)
キーワード寄生原虫 / トキソプラズマ / 糖代謝 / ピルビン酸キナーゼ / ミトコンドリア / アピコプラスト / 遺伝子組換酵素 / 系統樹解析
研究概要

細胞内寄生性であるトキソプラズマには解糖経路上のピルビン酸キナーゼの他に、同じ反応を触媒する酵素がもうひとつゲノムデータベース上に存在することを我々は見いだした。当初この酵素は解糖系酵素のアイソザイムであると推測した。トキソプラズマ生活史上の別の形態においてまた違った解糖経路調節機構の存在が考えられた。しかし系統樹解析の結果、我々がすでに性質を調べた解糖系酵素は植物の酵素と近縁であったが、問題の酵素は遠くはなれた位置にあるプロテオバクテリアを起源とすると推定されることから、このアイソザイムと思われた酵素は解糖経路に関与するのでは無く、全く別の代謝経路のメンバー酵素である可能性も考えられた。この酵素の遺伝子よりリコンビナント酵素を大腸菌で発現させ、精製してその性質を調べたところ、明らかに解糖系酵素のそれとは異なっていた。具体的には、この酵素はGDPを主な基質として利用し、高pH環境(pH 8.5-9)で作用するという、他種生物には存在が知られていない新規酵素であった。間接蛍光抗体法による解析で、トキソプラズマの新規酵素はミトコンドリアおよびアピコプラストに局在していた。ミトコンドリアに存在するピルビン酸キナーゼは今までどの生物にも知られていない。現在のところミトコンドリアにおけるGTPの供給に重要な役割を演じているものと推測している。一方アピコプラストでは脂肪酸合成のためのピルビン酸供給を行っていると推測される。これらの結果を現在論文にまとめ投稿中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] トキソプラズマ髄膜脳炎と診断における18S rDNAを標的とするnested-PCR法の評価2005

    • 著者名/発表者名
      前田卓哉, 斉藤智也, 竹内勤, 浅井隆志
    • 雑誌名

      感染症学雑誌 79

      ページ: 543-548

  • [図書] Toxoplasma gondii : The Model Apicomplexan- Perspective and Methods2006

    • 著者名/発表者名
      Asai T., Tomavo S., (Weiss Eds)
    • 出版者
      Elsevier Science (In press)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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