• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

赤痢アメーバのプレニル転移酵素の生化学的・分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17590379
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

熊谷 正広  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00271304)

研究分担者 牧岡 朝夫  東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90119850)
キーワード赤痢アメーバ / イソペンテニルニリン酸合成酵素 / ゲラニルゲラニルニリン酸合成酵素
研究概要

ファルネシルニリン酸合成酵素(FPPS)およびゲラニルゲラニルニリン酸合成酵素(GGPPS)に代表されるイソペンテニルニリン酸合成酵素(IPPS)は、テルペンの合成に必須の酵素である。今回、赤痢アメーバのIPPS遺伝子をゲノムデータベースで検索し、クローニングし、一次構造を系統解析および相同解析を行ってその特異性を明らかにした。
すなわち、まず、赤痢アメーバのゲノムデータベース(12×読まれている)を相同検索したところ、IPPSのドメインをもつタンパク質をコードする3つの遺伝子の存在を確認した。それらは、ほぼ同一の349、349、337アミノ酸配列をコードしており、他にはIPPSの遺伝子は認められなかった。次に、赤痢アメーバのcDNAをテンプレートとしてPCRを行ったところ349アミノ酸をコードする遺伝子がクローニングされた。
FPPSとGGPPSを系統解析したところ、大きく3つのクレイドに分かれた。それらは、(1)FPPS、(2)哺乳類、魚類、真菌等のGGPPS、(3)細菌のGGPPSである。赤痢アメーバとその近縁種であるEntamoeba disparのIPPSは、真核生物のものでありながら細菌のGGPPSのクレイドに含まれ、その中では離れた枝を形成した。このことから、赤痢アメーバのIPPSはGGPPSあり、系統的に特異な位置にあると推測される。一方、相同配列を行うと、他種のFPPSと相同なアミノ酸とGGPPSと相同なアミノ酸が点在する特異な一次構造を持っことが明らかになった。
以上のことから、赤痢アメーバは細菌のGGPPSから分岐した1種類のIPPSのみを持ち、複数の合成(縮合)反応を触媒しているのではないかと推察され、今後の検討課題である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Difference in protein profiles of the isolates of Entamoeba histolytica and E.dispar by surface-enhanced laser desorption ionization time-of-flight mass spectrometry (SELDI-TOF )Protein Chip assays2007

    • 著者名/発表者名
      Makioka A, Kumagai M, Kobayashi S, Takeuchi T.
    • 雑誌名

      Parasitology Research 102

      ページ: 103-110

    • 査読あり
  • [学会発表] システインプロテアーゼはEntamobaの脱嚢及び発育に関与する2007

    • 著者名/発表者名
      牧岡 朝夫, 熊谷 正広, 小林 正規, 竹内 勤
    • 学会等名
      第39回日本原生動物学会大会
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2007-11-17
  • [学会発表] 人工胃液によるEntmoebaの脱嚢促進2007

    • 著者名/発表者名
      牧岡 朝夫, 熊谷 正広, 小林 正規, 竹内 勤
    • 学会等名
      第48回日本熱帯医学会大会
    • 発表場所
      別府
    • 年月日
      2007-10-12

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi