研究概要 |
今年度では: 1.スンクスにrSEA腹腔内投与による催吐活性を検討し,スンクスはrSEAの腹内投与により濃度依存的に嘔吐反応が観察された. 2.セロトニン(5-HT)receptor antagonist,5-HT合成阻害剤,周囲迷走神経阻害剤(5,7-DHT)及び神経切断によるSEAの催吐活性に対する影響を調べた.5-HT3receptor antagonistと5-HT合成阻害剤の前投与はSEAによるスンクスの嘔吐を抑制した.SEA刺激による腸管細胞の5-HTの産生はHPLCにより測定した.SEA刺激により小腸の5-HTの産生または放出を促進した.5,7-DHT投与と迷走神経切断もSEAによる嘔吐を抑制した. 3.カンナビノイド(CB)receptorがSEAによる嘔吐への関与を検討した.CB1 receptor agonistはSEAによる嘔吐を抑制し,この抑制効果がCB1 antagonistにより解除された.組織免疫染色により小腸粘膜と腸筋層間神経叢には5-HTの産生とCB1 receptorの発現を確認した. 4.5-HTの産生とCB1 receptorの発現は免疫組織染色により調べた.CB1 agonistはSEAによる小腸の5-HTの産生を抑制した.これらの結果により,小腸の5-HTの産生と放出,迷走神経求心性ニューロンの5-HT3 receptorはSEAによる嘔吐反応に重要であり,またCB1 receptorは5-HTの産生と放出を抑制することによりSEAによる嘔吐反応を制御することが示唆された.
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