研究課題/領域番号 |
17590383
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
江本 正志 群馬大学, 医学部, 教授 (70232981)
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研究分担者 |
佐竹 史明 群馬大学, 医学部, 助手 (40302492)
斎藤 博久 国立成育医療センター研究所, 免疫アレルギー研究部, 部長 (40130166)
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キーワード | Vα14 / NKT細胞 / CD1d / α-galactosylceramide / NKR-P1 / Interleukin-12 / Interferon-γ / Interleukin-4 |
研究概要 |
C57BL/6マウスに細胞内寄生細菌であるリステリアを感染し、感染後の肝臓におけるVα14^+NKT細胞の動態ならびに性状の変化を各種抗体並びにα-GalCer/CD1dテトラマー(テトラマー)を併用することにより解析した。その結果、(1)感染初期よりテトラマー反応性T細胞の多くは検出不能となるが、その後NKR-P1を脱落したテトラマー反応性T細胞が増加すること、(2)感染早期に消失するテトラマー反応性T細胞の殆どがCD4を発現していること、(3)感染後に出現するNKR-P1を脱落したテトラマー反応性T細胞は、内因性のIL-12を中和することにより出現しなくなること、(4)感染後に出現するNKR-P1分子を脱落したテトラマー反応性T細胞は感染前と比較して著しく活性化されていること、(5)感染前のVα14^+NKT細胞はIFN-γ並びにIL-4の両者を産生する能力を有しているが、感染後に出現するNKR-P1を脱落した細胞はIFN-γ産生能のみを保持していること、(6)予め抗NKR-P1抗体を投与することによりNKR-P1を発現する細胞を消失させたマウスでは、感染後においても本分子を脱落したテトラマー反応性T細胞が増加しないこと、(7)胸腺摘出マウスに感染した場合にも有胸腺マウスと同様にNKR-P1を脱落したテトラマー反応性T細胞が出現すること、(8)感染後期にはNKR-P1を発現するテトラマー反応性T細胞が再び出現するすること、並びに(9)SCIDマウスを用いた細胞移入実験から、感染後期に再び出現するテトラマー反応性T細胞の少なくとも一部は、NKR-P1を脱落した細胞が再び本分子を発現することに起因すること、並びにα-GalCerがリステリア感染に対して予防効果を示すことが明らかとなった。以上より、Vα14^+T細胞上のNKR-P1は感染早期より産生されるIL-12により著しく変動し、その変動に伴って細胞の機能も大きく変化すること、並びにα-GalCerが抗感染症薬として有効であることが明らかとなった。
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