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2006 年度 実績報告書

肺炎クラミジアの潜伏・持続感染様式の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17590391
研究機関北海道大学

研究代表者

山口 博之  北海道大学, 医学部, 教授 (40221650)

研究分担者 山本 容正  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20010100)
川野 淳  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60133138)
キーワードChlamydia pneumoniae / リンパ球 / 動脈硬化 / 持続感染 / CD3 / プロスタグランジンE_2 / CD25 / IL-2レセプター
研究概要

偏性細胞内寄生性細菌である肺炎クラミジア[Chlamydia(Chlamydophila)pneumoniae]は呼吸器感染症起因菌であるが、しばしば慢性化し、喘息や慢性気管支炎の原因として注目されている。また、C.pneumoniae感染症と糖尿病、高血圧、肥満等の生活習慣病に併発する動脈硬化症との関連性も明らかになってきた。その詳細な機構は未だ明らかではないが、動脈硬化症病態形成においては、リンパ球等免疫担当細胞が重要な役割を演じていると考えられ、C.pneumoniaeのリンパ球細胞への潜伏・持続感染により誘導される免疫応答の変化が、動脈硬化病態形成機序に極めて大きな影響を及ぼす可能性がある。それ故、リンパ球細胞内でのC.pneumoniaeの持続・潜伏感染様式を明らかにすることは、本菌による慢性呼吸器疾患や動脈硬化症発症機序を明らかにする上で極めて有用であると考えられる。そこで本研究では、C.pneumoniae感染おける増殖環と感染リンパ球細胞の機能修飾機構に関して検討を行った。まず感染リンパ球細胞をPMAにて刺激し、刺激感染細胞内でのC.pneumoniaeの増殖環に関して検討を行った。その結果、C.pneumoniae形態は持続感染型に移行することが明らかになった。一方、昨年度の研究においてC.pneumoniae感染リンパ球細胞(Molt4細胞株ならびにヒト末梢血液リンパ球)においてプロスタグランジンE_2を介してCD3分子の発現が抑制されることを明らかにしたが、本年度の研究において、C.pneumoniae感染末梢血液リンパ球細胞においてIL-2レセプターすなわちCD25分子の発現が顕著に抑制することが明らかになった。その作用機序に関しては現在検討を進めているが、興味深いことにプロスタグランジンE_2非依存的な経路により誘導されている可能性を示す予備的な知見が得られている。このように、本研究結果は、C.pneumoniaeのリンパ球細胞内での持続感染様式を明らかにする上で有用な情報になり得るものと思われた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Development of diabetes in non-obese diabetic mice promotes Chlamydia pneumoniae dissemination from lung to peripheral blood2006

    • 著者名/発表者名
      Hiroyuki Yamaguchi
    • 雑誌名

      International Journal of experimental Pathology 87・2

      ページ: 121-129

  • [雑誌論文] Mutation of luxS affects motility and infectivity of Helicobacter pylori in gastric mucosa of a Mongolian gerbil model2006

    • 著者名/発表者名
      Osaki Takako
    • 雑誌名

      Journal of Medical Microbiology 55・11

      ページ: 1477-1485

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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