研究課題/領域番号 |
17590392
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小松澤 均 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90253088)
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研究分担者 |
菅井 基行 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10201568)
藤原 環 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90274092)
小原 勝 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80253095)
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キーワード | 黄色ブドウ球菌 / 薬剤耐性 / 糖代謝 |
研究概要 |
黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性度の多様性およびバンコマイシン低感受性の機序の解明を目的として、糖の代謝系の関与について検討を行った。 1)PTSシステム欠損株の作製および薬剤感受性:黄色ブドウ球菌ゲノム上に存在するグルコース、グルコサミン等のPTSシステム17個および糖の取り込みに関与するグローバル調節性因子であるCcpAの欠損株の作製を行った。CcpA変異株については種々の薬剤に対する感受性について検討した結果、メチシリン耐性ブドウ球菌におけるβラクタム剤の感受性が減少した。PTSシステム変異株は一部作製中であり、作製後種々の検討を行う予定である。 2)GlmS転写調節に影響を与える因子の解析:タンパクレベルではN-アセチルグルコサミン添加により発現量の減少が認められたが、GlmSのmRNAレベルでの発現量に変化があるかについて検討した。リボザイム活性部分を除いたプロモーター領域を組込んだレポーターシステムによる検討の結果、発現量の著名な変化は認められなかった。以上より、GlmSの発現レベルは主としてmRNAができた後に分解を受けることにより起こる事が示された。したがって、トランスポゾンによるGlmS転写活性変異株の分離は困難である事が予想され、リボザイムとしての解析に重点をおくことにした。 3)GlmSリボザイムの解析:mRNAレベルでどの部分が分解活性に必要かを検討するため、orf上流域における種々の長さのプロモーター領域を作製し、XylEリポーターシステムベクターに組込みこんだ株を作製し検討した結果、プロモーターとorf開始点の間およそ300bpの領域が重要である事が判明した。今後さらに詳細に検討していく予定である。 このような結果を踏まえ、次年度はPTSシステムの関与、GlmSのリボザイム解析についてさらに検討していきたい。
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