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2005 年度 実績報告書

腸炎ビブリオ病原因子産生の特異的翻訳調節機構による制御

研究課題

研究課題/領域番号 17590393
研究機関徳島大学

研究代表者

高橋 章  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (90304047)

研究分担者 井上 寛  徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (20294639)
中野 政之  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, COE研究員 (60398005)
キーワード腸炎ビブリオ / 翻訳 / small RNA / 翻訳後調節 / 病原因子
研究概要

まず日本で罹患患者の多い食中毒原因菌である腸炎ビブリオの下痢誘発機序を中心とした病原性について解析を行った。ノルエピネフリン等のカテコールアミン様物質は、ヒトが精神的や身体的ストレスに暴露されたときに産生分泌(腸管でも)が増加することが知られており、感染症の増悪を招く因子として注目されている。そこでまずノルエピネフリンが腸炎ビブリオの病原性に与える影響について解析を行った。マウス腸管ループ試験により、ノルエピネフリン添加により液体貯留が増強することを認めた。腸炎ビブリオの単独投与によっても液体貯留の増加が認められたが、これはノルエピネフリンの投与によりさらに増加することを認めた。またノルエピネフリン添加により腸炎ビブリオの細胞障害能が増強することを認めた。さらにノルエピネフリン類似物質(エピネフリン)についても同様の解析を行った。エピネフリンはノルエピネフリンよりも腸炎ビブリオの病原性に与える効果は弱いがほぼ同様の結果を得た。また実際に腸管にエピネフリンが存在していることを確認した。これらのことより腸炎ビブリオの下痢誘発能が、ヒトが産生する生理活性物質(ノルエピネフリン等)の添加により増強することを見出した。
さらに下痢誘発に関与する腸炎ビブリオの主要な病原因子蛋白である耐熱性溶血毒のmRNAの発現量はほとんど変化しないが、耐熱性溶血毒の産生は増加することを確認した。これは耐熱性溶血毒の産生が、mRNA発現調節機構のみならず、mRNAから蛋白質への翻訳調節機構によっても制御されていることを示している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Human airway trypsin-like protease stimulates human bronchial fibroblast proliferation in a protease-activated receptor-2-dependent pathway2006

    • 著者名/発表者名
      Matsushima R.
    • 雑誌名

      Am J Physiol Lung Cell Mol Physiol. 290・2

      ページ: L385-L395

  • [雑誌論文] A pore-forming toxin produced by Aeromonas sobria activates Ca^<2+> dependent Cl^- secretion.2005

    • 著者名/発表者名
      Takahashi A.
    • 雑誌名

      Microbial Pathogenesis 38・4

      ページ: 173-180

  • [雑誌論文] Listeriolysin O-induced membrane permeation mediate persistent IL-6 production in Caco-2 cells during Listeria monocytogenes infection in vitro2005

    • 著者名/発表者名
      Tsuchiya K.
    • 雑誌名

      Infect. Immum 73・7

      ページ: 3869-3877

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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