研究課題/領域番号 |
17590393
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
高橋 章 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (90304047)
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研究分担者 |
井上 寛 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (20294639)
中野 政之 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, COE研究員 (60398005)
馬渡 一諭 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (40352372)
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キーワード | 腸炎ビブリオ / 翻訳 / small RNA / 翻訳後調節 / 病原因子 |
研究概要 |
本研究では、腸炎ビブリオにドーパミンを添加した時の耐熱性溶血毒産生制御機構を解明する事を目的とした。特異的翻訳調節機構の多くは、標的mRNAへのトランス因子の特異的結合によることが報告されている。そこで、耐熱性溶血毒mRNAに特異的結合するトランス因子蛋白の同定及びその機能解析を試みた。さらに腸炎ビブリオでsmall RNAによる病原因子蛋白の翻訳調節が示唆されていることより、small RNAの関与及びその同定を試みた。さらにこの調節機構が腸炎ビブリオの病原性(下痢原性)に与える影響について解析した。 (1)耐熱性溶血毒のmRNAに結合する蛋白質の機能解析 平成17年度の解析で得られた、耐熱性溶血毒のmRNAに結合する蛋白質を、まずノックアウトした腸炎ビブリオを作成した。このノックアウト細菌での耐熱性溶血毒のmRNA及び耐熱性溶血毒蛋白質の産生量の解析を行った。ノックアウトした腸炎ビブリオの作成に関しては、すでにノックアウト成功例の報告のあるスーサイドベクターと標準腸炎ビブリオ(O3:K6)を用いて行った。さらに得られたノックアウト腸炎ビブリオの基本的性質を解析した。このノックアウト菌をドーパミン処理またはラット腸管に挿入したときの、耐熱性溶血毒のmRNA産生量、および耐熱性溶血毒蛋白の産生量をwild typeと比較検討した。耐熱性溶血毒のmRNAに結合する蛋白質が病原性発揮に重要であることが判明した。 (2)耐熱性溶血毒のmRNAに結合するsmall RNAの同定を試みたが、small RNAは得られなかった。Small RNAの同定法の更なる改良が必要と考えられた。
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