研究課題/領域番号 |
17590396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
吉家 清貴 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (70174886)
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研究分担者 |
小田 紘 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40107868)
前野 伸昭 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (20305113)
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キーワード | バルトネラ / ネコひっかき病 / 迅速培養 / 人獣共通感染症 |
研究概要 |
Bartonella henselaeの迅速培養法の確立 ウサギ血液加BHI寒天平板培地上にBHIブロスを重層する培養法(BHI+BHI法)でB.henselaeの比較的迅速な増殖を認めた。重層法の固形培地ならびに液体培地の見直しを行った。液体培地に胎児ウシ血清、ヘミン、ヘマチン、鉄イオン等を添加した。その結果、BHIブロスは基礎培地として不適であることが分かった。基礎培地をBrucellaブロス(BB)に替えた培地ではヘミン、ヘマチンの添加により良好な増殖が観察された。また、ウサギ血液加BB寒天培地にBBブロスを重層する培養法(BB+BB法)では極めて良好な増殖が得られた。この培養法がB.henselaeの迅速培養に適しているかどうかを、ネコ血液からのB.henselae分離率と分離日数の点で検証した。BB法は、平板でなく組織培養フラスコを用いて従来よりも多量のネコ血液を接種する方法を採った。その結果、BHI平板法での分離率が4.8%、コロニー形成に約1ヶ月を要したが、BBフラスコ法では分離率35.7%と向上し、コロニー形成は7〜10日に短縮した。このBBフラスコ法は接種血液量が多い、雑菌の混入が少ない、培地の乾燥が遅い、残存する液体中でB.henselaeの増菌が期待できる、分離率がよい等の利点を有していた。さらに、ウサギ血液加BB寒天培地上にBBブロスを重層する培養法(BB+BB重層フラスコ法)とヘマチン添加BB液体培地とでのB.henselaeの増殖を比較するとBB+BB重層フラスコ法の液体培地の菌による混濁が速やかに生じることが確認され、B.henselaeの迅速培養にBB+BB重層フラスコ法を用いることにした。 血管内皮細胞増殖促進因子の精製と好中球走化性因子の確認 現在、血管内皮細胞増殖促進因子の精製のためにBB+BB重層フラスコ法で菌を増殖させ培養上清を蓄積している段階である。新に、培養上清に好中球走化性因子が分泌されている可能性を示すデータを得ており、確認実験を実施中である。
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