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2006 年度 実績報告書

薬剤排出ポンプチャネル機能に必須な細胞外領域の発見及びそこを標的としたポンプ阻害

研究課題

研究課題/領域番号 17590402
研究機関東海大学

研究代表者

良原 栄策  東海大学, 医学部, 助教授 (70167063)

キーワード緑膿菌 / 多剤排出ポンプ / MexAB-OprM / 外服チャネル / オリゴマー構造 / 細胞外ループ / 阻害物質 / モノクローナル抗体
研究概要

高度多剤耐性をもつ緑膿菌は多くの抗生剤が効かないので臨床上大きな問題となっており、新たな治療法の開発が切望されている。本菌の多剤耐性には多剤排出ポンプが寄与するが、緑膿菌ゲノムには多種類のポンプ遺伝子が存在する。しかし構成的に発現し、主要な役割を果たすのがMexAB-OprMである。このポンプは三サブユニットからなり、MexBは内服でトランスポーターとして、OprMは外膜で薬剤のチャネルとして、MexAはペリプラズムでこれらタンパクを連結するリンカーとして機能する。
(1)OprMの機能構造相関を明らかにするため、そのオリゴマー構造、さらにそのホモログであるOprJとOprNのオリゴマー構造を調べた。その結果、OprMとOprNは三量体を形成するが、驚いたことにOprJは四量体であることが分かった。このようなオリゴマー構造の多様性は排出機能に密接に関連すると考えられるが、その分子的意義の解明はこれからの課題である。
(2)468アミノ酸からなるOprMには、細胞外に出ている小さなループが二つあり、それらはP100〜P109(E1)及びR311〜G320(E2)である。驚いたことにポンプが正常に機能するにはEIとE2が必須である事が分かった。さらにこれらループはポンプの基質認識にも関与することが示された。
(3)以上の結果から、ループの働きを抑制すれば、ポンプ機能の阻害につながると考えられる。そこでループの働きを阻害する物質としてモノクローナル抗体(mAb)を考えた。ループに特異的なmAbがループに結合することで、ループの働きを抑制する可能性である。
そこでまずE2ループと同じ配列も持つペプチドを合成し、それをマウスに免疫し、ハイブリドーマを作成した。その培養上清にペプチド結合活性があるかを調べた結果、結合活性をもつmAbを産生する細胞の存在が確認でき、その数は17クローンであった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Diversity in the oligomeric channel structure of the multidrug efflux pumps in Pseudomonas aeruginosa2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshihara, E.
    • 雑誌名

      Microbiol. Immunol. 51・1

      ページ: 47-52

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [雑誌論文] Assignment of the outer-membrane-subunit-selective domain of the membrane fusion protein in the tripartite xenobiotic efflux pump of Pseudomonas aeruginosa2006

    • 著者名/発表者名
      Eda, S.
    • 雑誌名

      FEMS Microbiol. Lett. 40・1

      ページ: 101-107

  • [産業財産権] 緑膿菌の薬剤排出ポンプの機能を阻害する方法及び薬剤2006

    • 発明者名
      良原栄策, 猪子英俊
    • 権利者名
      学校法人東海大学
    • 産業財産権番号
      特願2006-33522
    • 出願年月日
      2006-02-10
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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