研究課題/領域番号 |
17590407
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
桑野 剛一 久留米大学, 医学部, 教授 (60215118)
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研究分担者 |
木田 豊 久留米大学, 医学部, 助手 (30309752)
清水 隆 久留米大学, 医学部, 助手 (40320155)
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キーワード | マイコプラズマ肺炎 / TLR2 / リポプロテイン / 炎症 / レポーターベクター |
研究概要 |
本年度、Mycoplasma pneumoniae(M.pneumoniae)感染、およびM.pneumoniae由来リポプロテインによるチャレンジマウスで急性期の炎症反応を解析した。 (1)マウスの気管支肺胞洗浄(BAL)液中の細胞: 感染およびチャレンジ後のC57BLマウスのBALを回収した。滲出細胞数は感染後より増加し、24時間をピークとして、その後減少を始め、72時間にはバックグランドレベルに戻った。滲出細胞の90%は好中球であった。また、好中球の細胞質には、cathelicidinファミリーに属する抗菌ペプチドであるCRAMPが存在することを観察した。 (2)CRAMPを検出するELISA系の構築: CRAMPに対する抗体を作成するため、CRAMPの全長のペプチド(33アミノ酸残基)を合成して、ウサギに免疫して抗血清を得た。カラムにて抗体を精製後、ELISAに使用した。一次抗体としてヤギ抗CRAMP抗体(市販)、二次抗体として本ウサギ抗体、ペルオキシダーゼ基質を使用した。検出限界は500pg/mlであった。 (3)マウス肺におけるCRAMPの検出: 上記の感染、チャレンジ24時間後、BALFを回収して、その上清中に、20〜30ng/mlのCRAMPを検出した。一方、気道上皮細胞には、感染およびチャレンジ後に、免疫染色でCRAMPを検出できなかった。 (4)in vivoにおける合成リポプロテインによる刺激: 昨年度、報告したリポプロテイン(FAM20)に加えて、本年度さらに2種のトリアシルリポプロテインを見出した。このリポプロテインは、TLR1、2依存性であった。in vitroで、マウス腹腔滲出細胞に対しては、有意のTNF-αの産生を誘導した。しかし、マウスに経鼻的にチャレンジすると、BALFにFAM20は強いTNF-αの産生を誘導したが、トリアシルリポプロテインはその誘導能は極めて低かった。
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