研究課題
CMVプロモーター内に転写因子結合モチーフ(NF-κB、 AP-1、C/EBP、 CIITA、 IRF、 ISRE)をタンデムに5-7個連結した配列を挿入した。これらをプラスミドDNAに組み込み、下流にレポーター遺伝子(Luc、 SEAP、 LacZ)を挿入した。対応する転写因子の発現プラスミドを作製(NF-κB、 c-Fos、 c-Jun、 C/EBPα、C/EBPβ、C/EBPγ、C/EBPδ、C/EBPε、ClITA、 IRF3、IRF7)した。レポータープラスミドと転写因子発現プラスミドを組み合わせて細胞にトランスフェクトし、レポーターアッセイを行い、良好な組み合わせを検討した。HEK293細胞においては、どの組み合わせも野生型CMVプロモーターと比べ強力にレポーター遺伝子の発現を増強した。筋肉細胞株C2C12ではAP-1結合モチーフを7個x3(AAA)組み込んだCMVプロモーターとc-Fos/c-Jun発現プラスミドの組み合わせが強力にレポーター遺伝子の発現を増強した。肝細胞株Hepal.6ではC/EBP結合モチーフを5個x3(CCC)組み込んだCMVプロモーターとC/EBPδプラスミドの組み合わせが強力にレポーター遺伝子の発現を増強した。実際に、生体内に筋注エレクトロポレーション法を用いてプラスミドを導入した場合にどの組み合わせが免疫原性増強に有効であるか検討するため、二重プロモーターベクター(抗原遺伝子と転写因子遺伝字を共発現させるベクター)を構築してマウスに投与した。AP-1結合モチーフを挿入したCMVプロモーターによる標的遺伝子発現カセットと、AP-1を共発現させることで、ヒトSEAP遺伝子の長期持続発現(6ヶ月以上)が確認された。また、ISREを挿入したCMVプロモーターは、従来型CMVプロモーターと比べて、強い免疫原性が得られた。これらのことからさまざまな転写因子結合モチーフを挿入したCMVプロモーターを用いることで、標的遺伝子産物に対する免疫原性を調節することが可能であることが示唆された。
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