研究課題
ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)は健康なヒトの体内で潜伏感染しており、造血幹細胞移植後に免疫不全状態になると再活性化し、肺炎、骨髄抑制等の重篤な合併症を引き起こす。そのため、造血幹細胞移植後にHCMVの再活性化を防ぐことは、その治癒率向上のために不可欠である。しかし、HCMVの再活性化機構はその適切なモデル系がないこともあり、全く解明されていない。HCMVの再活性化機構を解明するため、HCMVが増殖(溶解感染)する細胞での基礎的なHCMVの転写機構の解明をHCMVの組換えウイルスを作成することによって試みた。その結果、1)主要前初期遺伝子の発現に前祖初期遺伝子エンハンサーはin vivoで重要な役割をにない、さらにTATA boxを含むプロモーターのみではウイルスは増殖できないが、-55に存在するSp1結合部位を含めれば、ウイルスは増殖できる。2)エンハンサー全体の中で転写開始点を+1として-55と-75に存在するSp1結合部位の効率的なウイルス増殖のために少なくとも1つは必要である。のことが判明した。
すべて 2006
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