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2006 年度 実績報告書

Pre-thymic NotchシグナルによるGATA3機能調節の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 17590441
研究機関東海大学

研究代表者

穂積 勝人  東海大学, 医学部, 助教授 (30246079)

キーワードT細胞 / GATA3 / Notch
研究概要

T細胞の分化決定にNotch1およびGATA3が必須であることは遺伝子欠損マウスの解析から明らかであるが、その分子機構についてはほとんど解明されていない。報告者は昨年度、GATA3の機能発現には、Notchシグナルの存在が必須であり、これが胎仔肝臓にてJagged1を介して誘導されている可能性を示した。
本年度はまず、GATA3発現とT細胞分化誘導との関連を考察すべく、胎仔肝HPCにGATA3遺伝子を導入し、各造血細胞系列分化を観察した。その結果、CD41陽性の赤芽球・巨核球(E/Meg)系列への分化が誘導されることを明らかにした。このことは、E/Meg系列への分化誘導がGATA1にて制御されていること、GATA3がGATA1の機能を代替可能なこと、NotchシグナルはHes1を介してGATA1の機能を抑制すること等のいくつかの報告と考え合わせると、GATA3の異所性発現は、E/Meg系列への分化を誘導することによりリンパ球系列への分化能を結果として低下させること、Notchシグナルはこれを抑制し、T細胞系列への分化能を保持させているものと考えられた。報告者は最近、胎仔肝HPCでは、細胞増殖の活発な細胞ほどT細胞よりもB細胞に分化しやすいことを示唆するデータを得ている。我々がすでに示した、Jagged1を介するNotchシグナルがマウス内耳神経細胞発生期にp21を介した細胞周期の制御に関与することと類似した現象が、胎仔肝HPC制御にも認められる可能性があり、興味深い。今後、Notchシグナルの分化制御と細胞増殖の関連を、GATA3を含めて、分子レベルで明らかにすることを目指したい。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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