1.卒後研修1年目の研修状況 必修化された卒後研修医の研修状況に関して、平成16年5月から平成17年3月までの研修内容をEPOC上で集計した。 「頻度の高い症状」の総達成率は大学病院92.6%、協力病院89.4%、「緊急の症状・病態」の総達成率は72.4%と80.8%、「経験が求められる疾患・病態」の総達成率は65.1%と63.7%であった。以上の結果から、1年目の基本診療科(内科、外科、救急麻酔科)の研修においては、大学附属病院と地域中核病院との経験疾患の相違はわずかであることが判明した。心肺停止、急性中毒、誤飲・誤嚥、熱傷は20%以上大学病院で少なく、SLEは協力病院で少なかった。 2.卒前クリニカル・クラークシップの研修 (1)クリニカル・クラークシップの策定 医学部5年から6年にかけての臨床実習を3期に分けて行うことを計画した。第1期は部位別に8カ所の診療グループをローテートし、診断・治療技術を学習する。第2期は内科・外科以外の診療科をすべてローテートし、病棟診療に当たる。第3期は内科3科、外科2科、救急科と希望診療科をそれぞれ1ヶ月ずつローテートし、基本的な医療行為を指導医の指導の元で行う。この間の経験症例に関してEPOCに記録する。 (2)研修内容調査 本研究の採択が判明したのが平成17年後半であったため、平成17年度は調査準備のみを行った。学生専用ノートPC7台、データベースソフト、統計解析ソフトなどを購入し、今後、EPOCの利用をUMINに申し込む予定である。これで、第2、3期のクリニカル・クラークシップ開始と同時に記録を開始することが可能となった。
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