研究概要 |
1.佐賀大学医学部附属病院の研修医へのアンケートおよび聞き取り調査 実務上の問題点ばかりで,教育の観点から問題を抽出することが出来なかった. 2.佐賀大学医学部附属病院で紙カルテ時代の診療を経験した指導医からの聞き取り調査 研修医教育との関連からは,今までの経過を短時間に見直すことが出来ないために今までの経過を把握しづらい,重要な画像を自分でスケッチしないため画像診断が正確に出来ていない,診療支援システムとしての使用が主体で病態を図式化したりすることがない,入院期間中の週間要約が,どこに記載してあるか検索できないなどの意見が挙げられた.その際に,電子カルテの問題は,ディスプレイ等を使用するというコンピューター特有の問題と,それ以外の電子カルテ特有の問題とを分ける必要があるということが指摘された.また電子カルテの前に座って,ボーっとしているのが,研修医のうつ状態の症状であるという興味深い意見が聞かれた.指導医による研修医の記載の監査は十分に出来ていなかった. 3.紙カルテ時代から通院している患者(従って通院が長期であり患者医師関係が確立している)からの聞き取り調査 医師がディスプレイに向かっていることに関する苦情はなく,むしろ,患者自身のカルテが間近に見られることを良いと言われる人が多かった.しかし,この点に関しては今後新患を対象に再度調査を行なう必要がある.
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