研究課題/領域番号 |
17590460
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
寺崎 仁 横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 准教授 (90227512)
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研究分担者 |
大道 久 日本大学, 医学部, 教授 (60158805)
梅里 良正 日本大学, 医学部, 准教授 (60213485)
前田 幸宏 日本大学, 医学部, 助手 (10287641)
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キーワード | 医療の質 / 臨床倫理 / 医療安全 / インフォームド・コンセント / 患者満足度 / 病院機能評価 / 評価指標 / グループ診療 |
研究概要 |
本研究年度においては、研究代表者の寺崎が所属大学を変更することになり、大学附属病院の安全管理部門の責任者として医療現場に近いところで研究を継続することになった。それにより、今までの研究の方向性を、データの収集とその解析を中心に行うことから、実際の医療現場での実践活動を踏まえた医療の質測定のあり方へと軸足を移していく予定であった。しかし、研究環境が大きく変わったために調査研究の作業の進行が遅れがちになり、最終報告書の作成については予定より大きく遅れる見込みである。そのような中、本年度はいくつかの実践的な試みも行うことができ、臨床倫理に関する院内研修会を開催し、その議論の過程などの状況を観察することによって、医療の内容について倫理面で検討する上での問題点等の把握を試みた。そして、臨床指標等を設定することによって医師の行動様式が変化し、結果的に患者に不利益となるような医療が行われる可能性についても考察することができた。一方で、医療の質が臨床指標等の臨床データによって行われることの弊害を防ぐためには、それ以外の尺度によって医療の質を測定できるか否かの検討が必要であり、改めて患者満足度に注目した取り組みが必要になるものと考えた。そこで、患者満足度に最も影響する事柄を検討し、それへの対応を充実させることで医療の質向上に繋げることが可能なので、その要素についても研究することにした。多くの先行研究では、説明と同意における状況が患者満足度に大きく影響することが知られており、臨床医に対して病状説明などのスキルを教育研修することの重要性に着目することができた。そして、新たな試みとしてインフォームドコンセントの質を向上させるための研修会を企画して実施してみたところであるが、当院の入院患者アンケートなどの分析を行いながら、そのような取り組みが患者満足度にどの程度影響するのかについて、今後解析を進めて最終報告書として取りまとめる予定である。
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