研究課題/領域番号 |
17590462
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研究機関 | 関西鍼灸大学 |
研究代表者 |
吉備 登 関西鍼灸大学, 鍼灸学部, 助教授 (70234333)
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研究分担者 |
山本 博司 関西医療大学, 鍼灸学部, 助教授 (00411744)
王 財源 関西医療大学, 鍼灸学部, 講師 (20249460)
中吉 隆之 関西医療大学, 鍼灸学部, 助手 (40321129)
鈴木 けい子 大阪市立大学, 医学部, 非常勤講師 (10290355)
高橋 研一 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 学外研究員 (40089959)
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キーワード | 代替医療 / 意識調査 / 教育改革 / 統合医療 / 医療系学生 / 医療従事者 / カリキュラム / 鍼灸 |
研究概要 |
2005年9月に全国の鍼灸学76校、柔道整復学72校、医学79校、看護学(専門学校は除く)128校の大学、短期大学および養成施設に対して、代替医療に関するカリキュラム調査を郵送により依頼した。回収率は多い順に医師校35校、鍼灸校32校、看護校44校、柔整校21校であった。医師、鍼灸師の養成校では、CAMに関連する開講科目が比較的多く、看護師と柔道整復師の養成校では少なかった。医師校での授業の内容は、漢方薬が飛びぬけて多く、鍼灸校では漢方薬と按摩などがほぼ同じ位で、看護校ではアロマテラピー、按摩などが多く、柔整校では健康食品、按摩、栄養学と各領域により相違があった。医師校や看護校では鍼灸校や柔整校と比べて開講糊間として通年は少なく、年間のコマ数も多くはなかった。今後、専攻以外で開講を予定しているのは、鍼灸校は5校で、柔整校は4校で、医師校は4校で、看護師校は2校であった。 2005年9月に全国の医学、看護学(専門学校除く)、鍼灸学、柔道整復学の大学、短期大学および養成施設の合計355校に対して代替医療に関する学生のアンケート調査の協力依頼を郵送でおこなった。そこで調査の承諾が得られ学校の1年次の学生に限定し調査用紙を各校に送付し、鍼灸1836名、柔道整復1291名、医学602名、看護991名の有効回答が得られた。その結果、鍼灸、柔道整復の学生はCAMに対する関心は高く、専攻分野に対する関心も高い。一方、医学部学生は漢方薬に対する関心は高かった。看護の学生は漢方薬にも関心を示すが、アロマテラピー、音楽療法、按摩マッサージ指圧などと関心が多種にわたる傾向がある。いずれにせよ多少の高低差はあるが、CAMに対する関心は高く、それぞれ将来において臨床に実際に使用できるものに対しては大きな関心を示した。 また、医療人としては、関西鍼灸短期大学部会、関西医療学園鍼灸按部会、柔道整復部会の協力を得て、2005年9月に5,855名の関西医療学園校友会の会員に「代替医療」に関する医療者アンケート調査表を発送し、459名(7,8%)の方から返答があり、この結果より、校友会会員は「代替医療」を中心となり実践し、「代替医療」に対する関心が非常に高いことがわかった。2006年6月に全国の日本良導絡自律神経学会々員715名(含む海外会員39名)に対して、代替医療に関するアンケート調査の協力依頼を郵送でおこない、117名(16.4%)の会員から有効回答を得られた。本学会の会員は「代替医療」なかでも特に「鍼灸」と「漢方薬」を中心として、東洋医学に対する関心が非常に高く、西洋医学との併用、すなわち統合医療を希望していることが裏付けられた。 今後、さらに一般市民も含めてさらに代替医療に関してどのようなことを期待し、関心を示しているのかを解明し、これらのニーズが分かれば、さらにそれらに答えられるような、新しい「統合医療」が提供できる医療システムを構築するためには、統合医療大学のようなまとまった教育制度も含めて検討していくことが大切である.
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